井荻寿一「霊能探偵ミコ」(1994年10月1日初版・1996年10月20日10版発行)

 神宮寺ミコ霊能探偵事務所。
 神宮寺ミコは清楚でありながらも、色っぽい美人霊能師で、どんな霊能相談でも良心的な値段で引き受ける。
 彼女の助手を務めるのは、ミコに首ったけの神田六郎(通称・カンロク)。
 さて、今回の依頼は…?

・「第一話 ネオン街の亡霊」
「本日の依頼は「HOTEL NEWTON」の支配人からで、ある部屋に霊が現れ、真っ最中のカップルを脅かすという。
 ミコは地縛霊だと考え、その夜、その部屋にカンロクと共に張り込む。
 しかし、霊はエッチしていないと現れないようであった。
 カンロクの提案で、ミコとカンロクはエッチすることになるのだが…」

・「第二話 危険なシナリオ」
「月一回の荒行の後、ミコ達が東京に戻ると、ある娘から依頼がある。
 娘の彼氏が原因不明の失踪をしたのであった。
 とりあえず、彼氏の部屋に行くと、ミコはビデオデッキから霊気を感じる。
 中には「アダルト特選 女教師 放課後の悪夢!!」というアダルト・ビデオが入っており、再生すると、娘の彼氏が登場する。
 これはカルダーラという悪霊の仕業であった。
 ミコは除霊しようとするも、ビデオデッキの中に取り込まれてしまう。
 彼女はビデオのシナリオ通りに犯されそうになるのだが…」

・「第三話 狐の涙」
「夏祭り。
 一組のカップルが人気のない祠で乳繰り合っているうちに、狐の像を壊してしまう。
 この像には寛永の時代の江戸で人々を困らせていた狐の霊が封印されていた。
 ミコが祠を調べていると、隣町で狐憑きの女がいるとの知らせが入る。
 女ははだけた浴衣で、狐の面を付けて踊っていた。
 女は鬱蒼とした森の中の神社へと消え、ミコ達は彼女を追うのだが…」

・「第四話 アズサ」
「ある日、ミコとカンロクはアズサと出会う。
 明月院アズサは見た目はボディコンねーちゃんであったが、ミコの姉弟子であった。
 事の成り行きから、ミコはアズサの助手を務めることとなる。
 アズサの仕事は、ゴルフ場の客にいたずらをする霊を除霊することであった。
 アズサはオルガスムスに達すると幽体離脱ができる体質で、オナニーの後、彼女の幽体はゴルフ場の霊を捕まえる。
 これで一件落着かと思いきや…」

・「第五話 富豪の美少女」
「ミコとカンロクは出雲コーポレーションの社長邸に招かれる。
 今回の依頼は、悪霊にとり憑かれた社長の娘、まおの除霊であった。
 悪霊は強力で、ミコは近寄ることもできない。
 それでも、護符さえ貼ることができれば、チャンスを掴むことができる。
 すると、悪霊がカンロクを呼び、まおとセックスするよう命令する。
 ミコはこの機会に悪霊の背後に忍び寄るのだが…」

・「第六話 仕掛けられた罠」
「出雲コープレーションの除霊の記事を読み、裏ビデオを制作するヤクザがミコに目を付ける。
 彼らは依頼を装って、倉庫にミコたちを呼び出し、カンロクは箱に閉じ込め、ミコとまおを拘束。
 まおを人質に取られ、ミコは男優に襲われる。
 犯されそうになった時、ミコはまおの額の護符が剥がされたことに気付き…」

・「第七話 手術台の悪夢」
「秩父山総合病院。
 外科病棟の看護婦たちが五日前に自殺した石田先生の幽霊を視たと言うので、ミコたちが呼ばれる。
 とりあえず、ミコとまおはナース、カンロクは患者に変装して、調査を開始。
 カンロクとまおが盛っている一方、ミコは外科病棟をあちこち霊査していた。
 外科部長の田村正人は彼女に目を付け、手術室に引っ張り込んで、犯そうとするのだが…」

・「第八話 湯の町からの招待」
(前編)
 アズサが急遽、温泉旅館の仕事に行くことになったため、ミコ達はアズサのもう一つ仕事を引き受ける。
 無事に解決し、事務所に戻ると、温泉にいるアズサから電話があり、温泉に呼ばれる。
 今回のアズサの仕事は温泉旅館に現れる座敷わらしに関するものであった。
 アズサは座敷わらしをお仕置きしておいたが、ちゃんと封印しなかったことが仇となり…。
(後編)
 ミコ、カンロク、まおの三人はアズサの泊まる旅館にやって来る。
 ミコが温泉に入っていると、アズサが現れ、ミコとレズろうとする。
 ミコはアズサに何ものかがとり憑いていることを見抜くが、座敷わらしの呼んだ樹木の妖怪、又三郎に捕らえられる。
 カンロクはミコのピンチを知り、身体を張って、座敷わらしに挑む…。
(続・後編)
 一仕事が済んで、その晩、一行は酒を飲んで、リラックス。
 夜更け、カンロクは酔ったミコの色っぽさによろめき、酒の勢いを借りて、愛の告白をする。
 更に、彼女を抱いてもいいかと聞くと…。

 「美人霊能師&スケベ助手」テーマのヒット作です。(注1)
 当時、好きでしたが、今読んでも、面白いや!!
 エロ漫画はストーリーに手を抜いている作品が多い印象がありますが、「霊能探偵ミコ」はしっかり作られており、ホラー的な要素もバラエティに富んでいて(怖くはないけど…)、エンターテイメントとしてかなり優れていると思います。
 また、井荻寿一先生の描かれる女性キャラの裸体は実に柔らかそうで、濡れ場シーンが官能的なのも魅力。
 個人的には「時の流れに色褪せない名作」です。

・注1
 個人的に、このテーマの最高傑作は椎名高志先生「GSスイーパー美神」(少年サンデー)です。
 20年ぐらい前は「美神」関連のSSS(サイド・ショート・ストーリー)がよく書かれていて、まとめサイトをよく閲覧しておりました。
 いろいろと思い出深い作品です。

2023年11月9・10日 ページ作成・執筆

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