井荻寿一「霊能探偵ミコA」(1995年6月1日初版・1995年9月15日5版発行)

 神宮寺ミコ霊能探偵事務所。
 神宮寺ミコは清楚でありながらも、色っぽい美人霊能師で、どんな霊能相談でも見事解決。
 彼女の助手を務めるのは神田六郎(通称・カンロク)。
 さて、今回の依頼は…?

・「第九話 オ・ヤ・ス・ミ…」
「今回の依頼は涼子という女子高生の母親からであった。
 涼子のお腹はガスか何かで膨れており、まるで妊娠しているかのよう。
 それは彼女が六角地蔵に置かれていた、水晶か何かでできている地蔵の人形を持ち帰ってからであった。
 ミコは彼女にとり憑いている霊を祓うが、それはまだ彼女の部屋にとどまっている。
 そこで一晩、この部屋に泊まることにするのだが…」

・「第十話 忌まわしい水の悪霊」
「今回の依頼者は開業したてのプールの経営者。
 プール内に悪霊が潜み、女性客を何人も襲っているという。
 ミコ達が水着でプールに入ると、まおが水底に引きずり込まれてしまう。
 ミコは水底に向かうも、護符も法呪も耐水仕様にしてなかったため、彼女もまた捕らわれてしまう。
 プールの底には空間が広がっていたが、悪霊の正体とは…?」

・「第十一話 忘れられた死体」
「真夏のある日、ミコとカンロクはあるマンションを訪れる。
 依頼主は公子という女性で、彼女の夫は三か月前の接待の日を境に行方不明になっていた。
 マンションのエレベーターには彼女の夫のカバンが残されており、それが最後の足取りであった。
 だが、その夫からワープロにメッセージが届く。
 メッセージは「公子よ……オレを探してくれ ここは暗い…… 暗い所だ」というもので、外部から来たものでなく、その場で入力されていた。
 相談を受け、ミコはまず例のエレベーターを霊視してみる。
 ところが、エレベーターが急に止まり、ミコとカンロクは閉じ込められてしまう。
 扉は開かず、猛暑が二人に襲いかかる……」

・「第十二話 仮面の中の野望」
(前編)
 平という家で父親が蒐集している古美術品を虫干ししていた。
 帰宅した高校生の息子がそのうちの一つを開けると、白い面が入っている。
 メイドを脅かそうと、その面を付けるが、それには平清盛の霊が宿っていた。
 清盛は少年の身体を乗っ取り、平家再興のため、次々と女性を襲う…。
(後編)
 さらわれたまおとの交換条件として、ミコが清盛に抱かれることとなる。
 面と取れば、少年を清盛の霊から解放できるのだが、肝心のカンロクが失敗。
 ミコは清盛に犯されそうになるが、その瞬間…。

・「第十三話 まおの見合い」
「まおはカンロクに想いを寄せるも、父親は決して認めようとはしない。
 そこで、まおは見合いをブチ壊そうと考え、事務所の祈祷室にあった壺を二つ、こっそり持ち帰る。
 この壺には強力で昇天しきれなかった霊が封じ込められていた。
 まおは見合いの席でこの壺を割り、自分に憑依されるのだが…」

・「水天宮鏡華の挑戦」
(その1)
 ミコはアズサのマンションに呼ばれ、二人の師匠から送られたビデオを観る。
 それによると、二人の後輩である水天宮鏡華という娘が東京に来ているが、彼女は霊能師業界を独占するため、二人の命を狙っているという。
 また、彼女はモラルに欠けており、金閣物産の息子と組み、ライバルを呪殺していた。
 そして、次の目標は出雲コープレーションの社長であった…。
(その2)
 ミコとアズサがレズっている間にも、鏡華の魔手が伸びる。
 鏡華は助手のまおに呪術をかけ…。
(その3)
 ミコとアズサの件はひとまず置いておいて、鏡華は出雲コーポ―レーション社長の暗殺に取り掛かる。
 まおが社長の娘であることを知り、彼女はまおを操って、社長の殺害を目論むが…。
(その4)
 まおに憑いていたのは霊体のアズサであった。
 アズサは鏡華に逆襲しようとするも、そのパワーは凄まじく、アズサは藁人形に封印されてしまう。
 鏡華は藁人形を車で轢き、まおに再び呪術をかけようとするのだが…。

 「仮面の中の欲望」がなかなかの怪奇ムードでいいと思います。(怪奇ムード以上にエロエロが勝ってますが…。)
 また、カンロクの秘められたパワーも描かれ、後の伏線になっております。

2023年11月10・11日 ページ作成・執筆

成人向け・リストに戻る

メインページに戻る