井荻寿一「霊能探偵ミコE」(1999年2月1日第1刷発行)

 神宮寺ミコ霊能探偵事務所。
 神宮寺ミコは清楚でありながらも、色っぽい美人霊能師で、どんな霊能相談でも見事解決。
 彼女の助手を務めるのは神田六郎(通称・カンロク)。
 さて、今回の依頼は…?

・「第三十七話 悪夢はやがて醒めるなり」
(前編)
 第五十回を迎える東京学園祭。
 しかし、妖怪の出現により中止になり、学園側に呼ばれたミコはお化け屋敷の教室に向かう。
 そこでは奇妙な仮面をかぶった男が女教師や女生徒達を部屋に閉じ込め、エロエロな危害を加えていた。
 男は小林という男子生徒だが、彼にとり憑いているものとは…?
(後編)
 小林にとり憑いた霊は、復讐のため、学園一の美女、小出優美を犯そうとする。
 ミコは彼女の代わりになると言い、反撃の機会を窺う。
 これでうまく行くかと思われたが…。

・「第三十八話 真実と偽り」
(前編)
 出勤途中、カンロクは古道具屋のショーウィンドウにある鏡で身だしなみをチェックする。
 すると、鏡の中から、カンロクと同じ人物が現れる。
 鏡には霊が封印されていたのであった。
 彼はカンロクとなり替わるため、事務所の外から彼の様子を窺う。
 そこにアズサが現われ…。
(後編)
 偽のカンロクはカンロクをポンプ室に監禁し、ミコと温泉旅行に出かける。
 彼の目的は、カンロクの全てを手に入れることで、まずミコをモノにしようとしていた。
 一方、ポンプ室から脱出したカンロクはアズサと会い、ミコたちがいる旅館へと急ぐ…。

・「第三十九話 消えた歌声」
(前編)
 野本このみは人気急上昇のアイドル歌手。
 テレビ出演のため、控室で待っていると、マネージャーが遅れてやって来る。
 だが、彼の顔はいつもと違い、化物のような顔であった。
 マネージャーは彼女を説得しようとすると、その化物のような顔が剥がれる。
 それはこのみに襲いかかり…。
(後編)
 「人面疽」はこのみの太腿にとり憑き、舌を伸ばし、性器から精気を吸う。
 ミコは除霊するものの、今度は彼女が人面疽にとり憑かれてしまう。
 人面疽は彼女の霊気をどんどん吸収し、巨大化していき…。

・「第四十話 消えた恋人」
「探偵事務所にやって来た青年は全く冴えず、イケてない男性であった。
 彼は動物や風景専門のカメラマンで、女性は大の苦手。
 そんな彼の前に、ある日、真奈美という美しい女性が現れ、二人は付き合うようになる。
 しかし、彼が彼女の両親に会いに行こうという話をした翌日、彼女は姿を消す。
 ミコは彼女の写真を霊査し、彼女の出身地である長野県の塩尻に向かう。
 真奈美の正体とは…?」

・「第四十一話 幸せの残像」
「結婚式場『寿々庵』にて幽霊騒動が起きるというので、ミコに除霊の依頼が来る。
 この結婚式場は老朽化しており、近々閉鎖する予定であった。
 支配人の川下にあと一組式を挙げれば、十万組になると言われ、ミコはここで式を挙げると答える。
 カンロクはミコと結婚式を挙げれると感激するが、ミコの思惑とは…?」

・「第四十二話 ファミレス大乱パ」
(前編)
 都下の新興住宅地に「スプレンディド・ミラーズ」というファミリーレストランが開店する。
 だが、開店前日の夕べに心霊現象が起きたため、ミコ・カンロク・アズサが呼ばれ、それぞれウェイトレス、皿洗い、マネージャーに扮して、様子を窺う。
 何も起こらず、閉店を迎え、三人がぐったりしていると、そこに鏡華が現れる。
 この店の持ち主は実は彼女で、人手不足でミコたちを呼んだのであった。
 彼女は開店祝いとして、豪華な料理をミコたちに供する。
 乾杯の後、余興を称して、彼女は藁人形を見せる。
 人形は四体あり、それぞれにミコ・カンロク・アズサ・鏡華の髪が入っていた。
 鏡華が人形の首を入れ替えると…。
(後編)
 人形の首を入れ替えたことによって、
 ミコ→鏡華
 カンロク→アズサ
 アズサ→ミコ
 鏡華→カンロク
 と、精神が入れ替わってしまう。
 カンロクの身体に入った鏡華は自分の身体と交わり、カンロクの精を得ようとするのだが…。
(「YOUNG HIP」1997年10月号〜1998年7月号掲載)

 「人面疽」を描いた「消えた歌声」は「霊能探偵ミコ」シリーズの中でも、怪奇とエロがうまく融合した逸品だと考えております。
 いつもの四人が乱交する「ファミレス大乱パ」は怪奇色は皆無ですが、なかなかそそるシチュエーションで、お気に入りです。

2023年11月18日 ページ作成・執筆

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