井荻寿一「霊能探偵ミコF」(2000年2月1日第1刷・2001年5月1日第3刷発行)

 神宮寺ミコ霊能探偵事務所。
 神宮寺ミコは清楚でありながらも、色っぽい美人霊能師で、どんな霊能相談でも見事解決。
 彼女の助手を務めるのは神田六郎(通称・カンロク)。
 さて、今回の依頼は…?

・「第四十三話 さまよえる魂に安らぎを」
@
 S県の堂ケ崎は海水浴場であり、岩壁がそそり立つ景観で有名なリゾート地であった。
 だが、この岩壁は自殺の名所でもあり、自殺者の霊が夏になると、海水浴客の手足を引っ張ると言う。
 そこで、観光協会は本格的なシーズンの前にお祓いを依頼し、ミコ・アズサ・鏡華・カンロクが海水浴場にやって来る。
 除霊は夜からなので、昼間は各自、思い思いに過ごす。
 ミコは一人で浅瀬に入っていたが、ボートに乗った三人組の男に拉致され…。
A
 男達は岩の小島にボートを付け、ミコをレイプしようとする。
 その時、一人の男の様子がおかしくなる。
 彼の背後には若い女の霊が憑いていた。
 男達は島から逃げ、ミコは置き去りにされてしまう。
 彼女は泳ぎが上手でなく、浜まで泳いではいけない。
 島にはどんどん潮が満ちてきて…。
B
 夜、ミコ・アズサ・鏡華は海で死んだ霊の除霊にとりかかる。
 霊たちは次々と昇天していくが、若い娘の霊だけは「マダイクワケニハイカナイノ」とこの世にとどまる。
 その娘はミコが離れ小島で視た霊であった。
 除霊の最中、近くで花火をして騒ぐ連中がいた。
 その連中はミコを犯そうとした三人組で、ミコに気付き、その場から逃げようとするが…。

・「第四十四話 夜空ノムコウ」
「仙神稜明神社殿。
 ミコたちの師匠と付き人の茅乃の祝言がとり行われる。
 婚礼儀式の後、師匠は酔い潰れ、ベランダで茅乃は一息つく。
 そこにミコがやって来て…」

・「第四十五話 素直のままで…」
「(前回の続き)
 その夜、ミコたちは酒盛りに突入し、野球拳大会で盛り上がる。
 じゃんけんに弱いミコはパンツ一枚になり、それすらも危うい状況となる。
 ミコは恥ずかしさで逃げ出し、カンロクが彼女の後を追うと…」

・「第四十六話 因縁の対決」
「夜更け、アズサと鏡華は裏の崖下の社に忍び込む。
 ここにはミコに掌破天を授けた神像が祀られてあった。
 二人はどちらが先に神像のアレを使うかを賭けて勝負する…」

・「第四十七話 憑依」
「勝利した鏡華が神像のアレを自分に入れていると、社に雷が落ち、神像が真っ二つになる。
 同時に、神像に宿っていた魂が鏡華に憑依する。
 だが、神像のパワーは凄まじく、このままでは鏡華の身体がもたない。
 この神像は鎌倉時代に彫られたもので、勇者の魂が祀られてあった。
 そして、この像を彫った神田法厳法師はカンロクとつながりがあるらしい…」

・「第四十八話 古の迷える魂たち」
「勇者の霊が憑依した鏡華がカンロクを襲う。
 神田法厳法師の霊は応戦し、お堂の中で戦う。
 神田法厳法師の霊にミコは「なつかしい感じ」がするのだが…」

・「第四十九話 過去からの誘い」
「戦いの後、ミコは気絶する。
 夢の中で、彼女は前世の記憶を見る。
 前世、彼女は魅子という名で、渡会行部(わたらい・ぎょうぶ)という勇者の妻であった。
 だが、行部は魔物との対決に敗れ、彼の霊は魔物に呑み込まれてしまう。
 魅子もまた魔物に囚われるが、そこに五人の修行僧が現れ、彼女を救う。
 修行僧の一人が神田法厳法師で、魅子に好意的に接し、霊能師としての修行を指導する。
 魔物と化した行部は法厳を襲うのだが…。
 あの神像にまつわる過去とは…?」

・「第五十話 かくれんぼ」
「女子大生の山仲とも美は彼氏とセックスの最中、かくれんぼをする時の声を聞こえる。
 ことが終わった後、訝っていると、「もういいよ」という声と共に、彼女の頭上に少女が浮いていた。
 とみ美はミコを呼び、マンションの部屋を視てもらうも、ここに霊の気配はない。
 その時、彼女は少女の霊が誰か思い出す。
 少女は彼女の小学校時代の親友、井上佐知子であった。
 しかし、卒業アルバムには彼女の写真はなく、とも美とミコたちはとも美の出身地を訪れる。
 井上佐知子はとも美と遊びに出かけた日から行方不明になっていた…」
(「YOUNG HIP」1998年8月号〜1999年7月号掲載)

 この巻ではミコ、カンロクの前世が明らかとなります。
 ちょっぴり感動的な話なのですが、あんな卑猥な神像を彫った理由がやっぱり、よくわからない…。

2023年12月1日 ページ作成・執筆

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