井荻寿一「霊能探偵ミコG」(2000年9月1日第1刷発行)
神宮寺ミコ霊能探偵事務所。
神宮寺ミコは清楚でありながらも、色っぽい美人霊能師で、どんな霊能相談でも見事解決。
彼女の助手を務めるのは神田六郎(通称・カンロク)。
さて、今回の依頼は…?
・「第五十一話 犬神」
「前編」
先日の騒動(第四十六話参照)のお詫びとして、ミコ、カンロク、アズサは鏡華の経営するファミリーレストランでご馳走になる。
食後、一人の女子高生が入店してくるが、ミコたちは彼女に「獣の臭い」を感じる。
彼女は店内で突然オナニーを始めだし、鏡華が止めに行くと、物凄いパワーで投げとばされる。
そこに彼女の両親がやって来るが、彼女は実の両親すら襲おうとする。
彼女にはミントという犬の霊がとり憑いているようなのだが…。
「後編」
智子という名の女子高生はファミレスから姿を消す。
ミコは彼女の下着から残留思念をたどり、公園へとたどり着く。
公園には若い男の死体が二つあった。
ミコはミントの霊を説得しようとするも、ミコたちは野犬の群れに取り囲まれ…。
・「第五十二話 キャンプ・キャンプ・キャンプ!!」
「前編」
ミコ・アズサ・鏡華・カンロクの四人はある渓流にキャンプにやって来る。
女三人が素っ裸で川遊びをしている間、カンロクは一人、夕食のための魚釣り。
んで、寝る時もカンロクはテントの外に夜具一つで寝ることになるのだが…。
「後編」
ミコとカンロクが乳繰り合っている最中に、謎の子供が現れる。
こいつはミコにやらしいことをしたり、就寝中のアズサと鏡華にいたずらしたりとやりたい放題。
この子供の正体とは…?
・「第五十三話 追憶の鎮魂歌」
木村という男性が神宮寺ミコ霊能探偵事務所を訪れる。
彼の相談事は妻の佳花についてであった。
夫婦は三か月前、五歳の息子、広之を交通事故で無くす。
妻は息子の死を自分のせいと思い込むようになり、遂には精神病院に入院する。
だが、彼女は息子の霊に会っていると言い始め、看護婦が息子の霊を目撃、夫である男性もまた目にしていた。
真相を確かめるため、ミコは女医に扮して、佳花を訪ねる。
部屋には霊の気配はないが、気になる点が一つ。
ミコが広之の霊が現れるまで待つと…。
・「第五十四話 バニー・バーニング」
@
神宮寺ミコは芸能プロダクションのバニー・プロモーションから来た女性から依頼を受ける。
依頼内容は社長の飯塚が女性の霊に祟られているというものであった。
女性の霊は相沢久美(16歳)で、オーディションで落とされ自殺したというのだが、どうもそれだけではないらしい。
とりあえず、ミコは女性の霊が現れるのを待ち、霊と話そうとする。
ところが、プロデューサーの堤昭治により、ミコは「新人アイドルオーディション」にバニー姿で出ることに…。
A
選考が終わり、ミコは審査員特別賞を受ける。
しかし、授賞式の時、霊に憑依された女性がミコを襲う。
霊はミコに「ジャマヲスルナラコロス」と警告するが、霊の目的とは…?
B
会場を偶然訪れていた社長の娘は事故にあい、頭部に重傷を負う。
緊急手術を受けるも、頭部の損傷がひどく、意識が戻ることはないと医者は告げる。
堤昭治は彼女の病室にいたが、ふと妙な考えに襲われ…。
一方、飯塚社長はミコをレイプしようとしていた…。
・「第五十五話 1/6の魂」
「神宮寺ミコ霊能探偵事務所に中里和浩という青年がやって来る。
夜中、何ものかの霊に「ここから出して」と脅されたのだが、その霊には全く心当たりがない。
ミコとカンロクが彼の部屋を訪れると、どこもかしこもフィギュアだらけ。
彼は重度のフィギュア・マニアで、美少女フィギュアを熱愛していた。
その夜、ミコが部屋で儀式を行うと、霊の在処がわかる。
霊は「ミレニアム限定メイドコレクションドール」に宿っているようなのだが…。
・「特別編・ミコ姫珍道中」
「武蔵国。
除霊師の魅子と付き人の勘六は全国除霊の途中、城山城を訪れる。
魅子はこの城に渦巻く「無念の霊」を感じたのであった。
殿様に面会するも、こいつはエロエロなやつで、魅子を犯そうとする。
勘六は連れて行かれてしまい、魅子は絶体絶命の大ピンチ。
「無念の霊」の正体とは…?
「YOUNG HIP」1999年5月号〜2000年3月号に掲載された作品に加筆したものが収録されております。
個人的には、「犬神」「バニー・バーニング」と後味の悪い話が多く、イマイチに感じました。
2023年12月18・19日 ページ作成・執筆