作者不明「人間製造」(10円)



「あるキチガイ博士が墓から死体を掘り出し、蘇生実験を行う。
 死体は生き返り、博士は「モンスター」と命名。
 以来、村はモンスターの出現に怯えることとなる。
 ある夜、モンスターは村の娘、ジェーンをさらう。
 トムは拳銃を手に博士の城に向かい、人体実験が行われる前に、ジェーンを助ける。
 しかし、トムの前にモンスターが現われ、トムとジェーンは城の屋上と追い詰められる。
 二人の運命は…?」

 日本で最初の怪奇マンガは誰のどういう作品なのか、いまだ明らかになっておりませんが、このマンガは最も初期の怪奇マンガではないでしょうか?(発行年に関しては不明。)
 大きさは縦が約13p、横が約9pで、ページ数は24枚、一ページにつき二段のコマとなっております。
 内容は映画「フランケンシュタイン」から多大な影響を受けたもので、キチガイ博士とモンスターから少年少女が逃げるというストーリーです。
 今となっては実に素朴な絵柄ではありますが、ギャグやお涙頂戴等、余分なものは一切なく、手に汗握る展開で一気に突っ走ります。
 こういう作品がもっと発掘されれば、日本における怪奇マンガの全貌の解明に近づくはずですので、全国のマニアの方々による積極的な情報発信を心から祈っております。

2023年11月27日 ページ作成・執筆

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