こさかべ陽子/高岡奈央・原作「血まみれの休日」(1986年8月15日初版発行)

「山奥にある蛍火村。
 夏休みを利用して、真弓とその友人、沢典子と共に、蛍火神社を訪れる。
 神社には、真弓の祖父母と、美人なのにいまだ独身の叔母が住んでいた。
 神主をしている祖父は、その地方の伝説や民話を研究しており、特に、神社にまつわる「蛍火伝説」には熱心であった。
 「蛍火伝説」とは、平安時代、この地方には目が蛍のように光る魔獣が山に住んでいたという。
 村人と魔獣はうまく住み分けができていたが、飢饉となり、村人が山の獣を捕るようになると、飢えた魔獣は人の家畜を襲うようになる。
 村人は魔獣を退治しようとするも、逆に魔獣を怒らせ、村人は次々と魔獣の餌食となる。
 そこへ、一人の賢者が現れ、魔獣を洞窟に封印し、その魔獣を慰めるために、神社ができたと伝えられていた。
 更に、昼に起こった地震により、社の隠し戸から巻物が発見され、新たな事実が明らかになる。
 巻物には、その洞窟は、神社の裏にあると記されていた。
 祖父は明るくなるまで待ち切れず、夜中、懐中電灯を手に神社の裏山に向かう。
 そこには地震の影響で洞窟が開いていた。
 奥に入ると、人間と獣の中間のような骨があった。
 骨に触ると、塵と崩れ、祖父の耳に何者かの声が届く。
 以来、祖父は「魔獣」の霊に憑りつかれ、長年の空腹を満たすため、動物や人間を襲う。
 真弓は祖父の異変に気づき、古文書から手掛かりを得ようとする。
 だが、魔の手は真弓や典子のすぐそばにまで伸びていた…」

2017年8月7日 ページ作成・執筆

秋田書店・リストに戻る

メインページに戻る