好美のぼる「悪魔のすむ学園」(1986年12月20日初版発行)

「私立中学校、あすなろ学園。
 クラスの人気者、宝田みどりは、ミスあすなろ学園の君津マリをボスとする、木村つかさ、金沢はやみの三人組に日々、執拗ないじめを受けていた。
 みどりは三人組への復讐をもくろみ、毎夜、学園のパソコンルームに忍び込んでは、三人の情報をインプットする。
 しかし、ありきたりな結果しか出ず、癇癪を起して、パソコンのキーボードに八つ当たりをした時、彼女の前に「パソコン・サタン」が現れる。
 彼女は「パソコン・サタン」を呼び出すシグナル(Y7を13回押した後、キーボックスのキーを全部押す)を偶然に送ったのであった。
 パソコン・サタンはみどりの復讐に手を貸すと話し、彼女に変身能力を授ける。(変身する時、また、解除する時は「Y713」を唱える)
 こうして、みどりは一人ずつ、三人組に復讐を果たしていくのだが…」

 好美のぼる版「デビルスピーク」(注1)と言っていいもんなのでしょうか。
 「パソコンで悪魔を呼び出して復讐」という要素は共通しておりますが、「デビルスピーク」のような豪快な復讐描写はなく、復讐方法はとってもビミョ〜。
 肝心の「パソコン・サタン」様にしてから「復しゅうはしてはならぬ」「人間がチエをしぼってしんぼう強く話し合いひとつひとつ解決していくこと」(共にp177)とか、悪魔らしくないことを言う体たらくで、ラストはハート・ウォーミングに決めてくれます。
 でも、ライン等で陰湿ないじめが流行っている今日、こういうマンガを読むと、なんかほのぼのしてきて、癒されるような気がしますね。

・注1
 1981年アメリカ映画。
 いじめられっ子がコンピューターで悪魔を召喚し、血みどろの復讐を行うというオカルト・スプラッター。
 1980年代スプラッター・ムービー屈指の残酷描写を誇り、豚の群れに裸の娘が喰われる描写は今観ても、かなりイヤ。
 DVDは持っているが、ちゃんと再見できてなくて、悲しい…。
 時間は自分で「作る」ものとは言うけれど…でも、やっぱり、時間が欲しい…。

2019年10月7日 ページ作成・執筆

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