高階良子「死面伝説」(1990年2月5日初版発行)
収録作品
・「死面伝説」
「ある山奥のリゾート地を訪れた学生、水谷邦彦。
彼の目的は、メンガタスズメの新種、ドクロの模様を背に持つ死面蛾であった。
邦彦は、このあたりの山林のほとんどを所有する地元の資産家、浅野家に山林に立ち入る許可をもらいに赴く。
そこで使用人の坂本由加から「和也」という人物に間違えられる。
また、浅野家の母と息子にも「和也」と思われ、驚かれる。
邦彦は「和也」と面影が非常に似ているようだが、当の「和也」は十年も前に異父姉と一緒に谷底に落ちて、行方不明となっていた。
そして、その時に、死面蛾が現れたと言い、村人は死面蛾をひどく恐れていた。
邦彦はそういう噂話は大して気にせず、死面蛾を探すが、山の案内をしてくれる坂本由加と徐々に惹かれ合うが、由加は和也を忘れられない。
ある日、山中で、由加は死面蛾から啓示を受けたと言い、その場で気絶する。
由加が受けたという啓示は、和也が帰ってくるというものだった。
そして、過去の秘密が徐々に明らかになる…」
・「緋色の花冠」
「海の見える屋敷で、一人で暮らす中西亜矢子。彼女は屋敷の花園で、花を育て、それを売って、生計を立てていた。
ある日、彼女は海岸に打ち上げられている青年を助け、家で介抱する。
亜矢子の世話もあり、青年は回復する。
青年の名はケン・ソムと言い、難破した難民船の生き残りであった。
亜矢子はケンに仕事の手伝いをさせ、しばらく家に置くことにする。
ケンは亜矢子を「ルージュ」と呼んで懐くが、「ルージュ」は彼にとって「神のようなもの」だと言う。
ケンの過去とは…?
そして、亜矢子の周囲で起きる殺人事件…」
平成27年6月19・21日 作成・執筆