古賀新一「エコエコアザラクF」
(1977年6月15日初版・1983年7月30日15版発行)

・「ライオンのエサ」
「好き放題な不良グループ相手に大活躍の高校生、小林。
 だが、その実体は、不良達とつるみ、金持ちの女の子を襲わせては、助けたお礼に金銭を巻き上げるという悪党であった。
 彼は、黒井ミサに目を付け、不良達に襲わせる。
 いつものように彼は女性を助けるふりをするが、その際、不良の一人が、打ち所が悪く死んでしまい…」

・「霊能力で死体を捜せ」
「警察から、好きだった少女を殺したという疑いをかけられている男子高校生。
 彼は、警察からの帰り、奇妙な男からアルバイトの話を持ち掛けられる。
 それは、甘いマスクを利用して、易者で荒稼ぎしようというものであった。
 彼は、お客に対して、適当な答えをするが、それがことごとく命中。
 更に、老婆の神経痛まで癒し、彼は自分に霊能力があると信じ込む。
 そこに、黒井ミサが現れ、霊能力対決をすることになるのだが…」

・「黒魔術ベースボール」
「初めて県大会の決勝戦まで進んだ野球部。
 部員達はどうしても勝ちたいため、ミサに魔術をかけてくれるよう懇願する。
 彼らの熱意に負け、ミサは、彼らの野球道具に黒魔術をかける。
 そして、決勝戦当日、彼らには奇妙なチャンスが次々と訪れるが、それをうまくいかすことができない。
 0対0のまま、最終回になった時、キャプテンは、観客のミサの視線にある意味を見出す…」

・「校長先生の秘密」
「威風堂々たる校長先生。
 だが、彼の威厳たっぷりのヒゲは付けひげで、頭髪もカツラ、歯も入れ歯であった。
 ある時、ミサは教室で酒を飲まされ、うっかり校長先生の秘密を皆にばらしてしまう。
 それを知った不良生徒は、付けヒゲを取って、校長の威厳を損なおうと目論む。
 ミサは、責任と取るべく、校長に毛の生える黒魔術をかけるのだが…」

・「悪魔の子」
「友人と「オーメン」を観た帰り、ミサは、弘という男の子が傷だらけで倒れているのを見つける。
 ミサ達は病院で治療を受けさせるが、母親は「おせっかい」だと責め、彼を家に連れ帰る。
 母親は彼を天井に吊り下げ、様々な暴行を加える一方で、献身的な介護をする。
 ミサは弘を「悪魔の子ども」と呼び、母親から事情を聞くと…」

・「脅迫状とラブレター」
「いつもフラれてばかりの山中先生は、他の先生から、黒井ミサにラブレターを代筆してもらうようアドバイスを受ける。
 噂によると、彼女の書く手紙には、魔術がかけられているらしく、効果はてきめんだと言う。
 山中先生は黒井ミサにラブレターを依頼するが、同時に、クラスの不良も彼女に脅迫状を書くよう迫る。
 不良は、この脅迫状を使って、銀行強盗を目論むのだが…」

・「トラと強盗」
「優しい容貌をしているが、根っから犯罪者の男。
 出所して早速、手下と共に、強盗を計画する。
 目標は、黒井ミサの家。
 夜中に忍び込むと、檻の中に巨大な虎がいる。
 だが、虎は全く暴れず、男は虎を手なずけたと大威張り。
 ミサの家から金を盗んで、逃走しようとした時、ミサが彼らに気付く。
 ミサは虎を檻から出そうとするのだが…」

・「SLに母と子を見た」
「SLファンの息子を航空事故で亡くした母親。
 彼は、北海道で最後に走るSLを見ようとして、事故にあったのであった。
 ある日、母親は、露天商から写真を買う。
 それには、例のSLの写真で、観客の中に彼が写っていた。
 しかも、写真の中の彼は徐々にSLに近づいて行く。
 その後、母親は失踪し、黒井ミサは母親の居場所について占うのだが…」

・「よみがえった愛情」
「加津雄という少年は、自分の母親が継母であることを知ってから、ぐれてしまう。
 そんな彼に、ミサは悪魔像を渡し、これを抱いて寝れば、本当の母親に会えると話す。
 すると、彼の前に、赤ん坊の時に亡くなった母親が現れ、彼を湖の中の古城へと連れて行く。
 一方、彼の継母は、彼が姿を消したことを知り、必死になって捜していた…」

 ちょこっと考察。
・「SLに母と子を見た」→モンターギュ・ローズ・ジェイムズ「銅版画」。
 同じテーマの作品として、古賀しんさく・名義「廃屋」(「オール怪談・50」(貸本/ひばり書房)収録)もあります。
 「絵や写真の中の人物が動く」というテーマでは、菊川近子先生「額の中の風景」や、どやたけし先生「美少女」といった作品があります。
 多分、「銅版画」を映像化したものが「ミステリーゾーン」等でありそうなのですが、確認取れておりません。

2020年11月2・3日 ページ作成・執筆
2021年3月3日 加筆訂正

秋田書店・リストに戻る

メインページに戻る