古賀新一「エコエコアザラクI」
(1977年12月15日初版・2013年2月5日19版発行)

・「20世紀のゴーレム」
「元・全日本フェザー級チャンピオンだった黒潮玄太。
 病気で療養中の彼は、チャンピオンだった頃に作った彫像を眺めては、当時を懐かしんでいた。
 黒井ミサが彼の家を訪れた際に、彼は、自分の彫像を黒魔術の力で動くようにしてもらう。
 悪魔の力は不幸を招くと、ミサは魔法を解こうとするが、黒潮玄太の妻が止める。
 彼女は介護疲れを起こしており、彼女の心を知った彫像は、玄太を扼殺。
 彫像は彼になり代わり、妻はすっかり彫像の方に夢中になるのだが…」

・「怪談ろくろっ首」
「一人旅に出た黒いミサ。
 彼女が、ろくろっ首の伝説のある町を散策していると、日が暮れてしまう。
 宿を探していると、男に声をかけられ、その男の民宿へと向かう。
 その民宿は薄気味悪く、しかも、男の家族も陰気臭い。
 その夜、水を飲みに部屋を出たミサは、恐るべき光景を目にする。
 布団に寝ている、男の家族達には頭がないのであった。
 ミサが慌てて部屋に戻った時、そこの家族がやってきて、自分達はろくろっ首ではないと言う。
 そして、首がなかった理由を説明するのだが…」

・「呪われた彫刻」
「奈美は、湯浅清次郎という彫刻家のもとで一年間、修行する。
 奈美の才能を恐れ、湯浅は、彼女が自分の才能に気が付かないうちに、彫刻家としての道をあきらめさせ、更に、彼女の作品を自分名義で発表する。
 怒りに燃えた奈美は復讐を決意するも、自動車事故にあい、両腕を切断。
 それでも、彼女は湯浅に、彼女の「呪った顔」を題材にした彫刻で勝負を挑む。
 彼女は、黒井ミサに手伝いをしてもらい、彫刻を完成させるのだが…」

・「かかしの供養」
「変わり者で、村人が誰一人として関わろうとしない吾助。
 彼は、奥さんに逃げられ、一人で赤ん坊の面倒を見ていた。
 そんな彼を不憫に思い、ミサは奥さんを魔法で探す。
 その夜、吾助の家に、麦藁帽で顔を隠した女性が助けを求めに来る。
 彼女は吾助に、百歳にもなる大ガラスを射殺するよう頼み、大ガラスとの経緯を話し始めるのだが…」

・「空を飛ぶ少女」
「美加は、無免許で車を運転している時、女子中学生を轢殺する。
 その女子中学生の体つきが美加と似ていることから、父親はある計画を思い付く。
 翌日、お転婆だった美加は、落ち込んだ様子で、「どこか遠いところに行きたい」と呟く。
 彼女は、ミサの黒魔術に興味を示し、本を借りて、飛行術を実行しようとする。
 そして、鐘つき塔から全裸でとび出すのだが…」

・「高原の別荘」
「黒井ミサは、女友達と共に、高原の別荘に宿泊する。
 大雨に降られ、ロビーで他の宿泊客達がくつろぐ中、奇妙な外人の客が目立つ。
 彼は、ギターを弾きつつ、黒魔術の呪文を歌い、殺人事件が起きると予言。
 そんな時、ラジオから、近くの高原で死体が見つかるというニュースが流れる。
 どうも、電動ノコギリを使う連続殺人鬼の仕業らしい。
 宿泊客達は外人に対して疑惑を深めていき…」

・「妖蛾」
「黒井ミサは、祖母の田舎から東京へ帰って来る。
 祖母の田舎では山火事が起こり、大騒動であった。
 その火事では山から動物や昆虫が逃げて来て、ミサの旅行鞄にも蛾が二匹、忍び込んでいた。
 帰宅した夜、ミサは家の近所で、雨の中、黒づくめの異様な人物を見かける。
 その人物の手は毛で覆われていた。
 更に、数日後、その人物が、ミサの家の雑木を売ってくれと頼みに来る。
 その木は乳房榎で、彼らの赤ん坊に育てるのにいいらしいのだが…」

・「大魔術師・黒井ミサ」
「黒井ミサの両親は、魔法実験により、人形サイズの大きさであった。
 教師には父兄会に参加してないと嫌味を言われ、公園で食事をしていたら、子供に親をおもちゃと間違われる始末。
 いろいろともめ事に巻き込まれ、ミサが悲嘆に暮れていると、両親がその気持ちを悪魔に訴えてくれるよう頼む。
 今のミサの魔力は両親以上で、悪魔の力により両親がもとの身体に戻れるかもしれないのだが…」

・「自動販売機」
「夜中、ミサはジュースを買いに外出する。
 だが、その自動販売機は欠陥品で、金を入れても、商品は出てこないし、金も戻ってこない。
 翌日、彼女は店の主人に金を返すよう求めるが、小娘だと思って、相手にしてくれない。
 そこで、ミサは黒魔術を使って、店の主人に復讐する…」

・「無謀タクシー」
「ミサの父親(人間に戻ってから、貿易会社勤め)は、会社帰りに、乱暴なタクシー運転手の車に乗ってしまい、ぼったくられた挙句、怪我まで負わされる。
 ミサが、呪いの歌を歌うと、その運転手の車が原因不明の故障を起こす。
 運転手は仕方なく、別のタクシーで会社に戻ろうとするが、そのタクシーの運転手は実に不愛想で…」

 ちょこっと考察。
・「20世紀のゴーレム」→星新一「ボッコちゃん」が元ネタ。古賀しんさく・名義での「奇妙な死」(「怪談R」)も同様のネタです。
・「かかしの供養」→「カラス」絡みのネタは「奇妙な男」(「怪談全集」)があります。
・「空を飛ぶ少女」→ヒッチコック「めまい」の影響があるのではないでしょうか?
・「高原の別荘」→フレドリック・ブラウン「危険な連中」が元ネタでしょう。江戸川乱歩・編「世界短編傑作集D」に収録されておりますが、この「危険な連中」という作品、メチャクチャ面白いです。
・「妖蛾」→ストーリーは若干、異なりますが、同タイトルの作品があります。

2020年8月18日 ページ作成・執筆

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