古賀新一「エコエコアザラクN」(1979年2月10日初版発行)

・「しでむしの歌」
「雨の日曜日、ミサは、傘もささず、裸足の、荷物を背負った男を目にする。
 彼は「しでむし しでむし 雨の中〜」という奇怪な歌を歌っていた。
 しかも、テレビのニュースで、その男が数日前に山で遭難したと報じられる。
 一週間後、公園でカブトムシを売る男の姿があった。
 彼は特別にカブトムシを安くするから買ってくれるようミサ達に懇願する。
 彼は、別荘で起ったことを話すのだが…」

・「シャムネコのミーコ」
「マンション荒らしの一味の一人、サブは、言葉を話す猫をミサから奪い、逃走する。
 だが、ねぐらに帰った時、彼のモンタージュ写真が公開されたことを知らされ、猫どころでなくなる。
 仕方なく、彼は乞食の格好をして、町の通りでおもらいをすることとなるが、ミーコのお陰で、大儲け。
 ところが、これがマスコミに報じられたため、彼はミーコを殺し、自分は整形するのだが…」

・「呪われた大邸宅」
「ミサは、初老の紳士から、自宅の霊視を依頼される。
 それは彼の父親が建てた、豪勢な洋館であったが、この家の借家人が次々と発狂したり、怪死したりしていた。
 しかし、ミサは何も感じないと笑いとばして、立ち去る。
 紳士は不動産屋に二束三文の値段で売るかどうか悩むのだが…」

・「潜入!死後の世界」
「橋本は、友人の葬式に行き、死について考える。
 すると、心霊学者を名乗る老人が彼に話しかけてくる。
 老人は、アストリノ(幽子)装置で、生きながらにして死後の世界を体験することができるという。
 橋本は老人の実験に協力し、死後の世界を訪れる。
 そこで、彼はミサと知り合い、熱烈な恋に落ちるのだが…」

・「白装束の男」
「彼とのデートだというのに、その日一日、久美はどうも不安で落ち着かない。
 アパートに帰ると、彼女の部屋に、白装束の男が待っていた。
 彼は彼女に、彼女が子供の頃に交通事故死した兄のことを話して欲しいと頼む。
 話を聞いた後、彼は、大金を出し、兄の形見のナイフを強引に奪って、走り去る。
 久美は、姿を消した男のことをミサに占ってもらうのだが…」

・「ビヤ・ガーデンの大魔術」
「ミサの母親が開いたビヤガーデン。
 売りはインドの大魔術。
 開店早々大入りだが、文句の多い客がいて、「立ち上がるロープ」をすることとなる。
 ミサの母親が、魔法でロープを天に伸ばすと、ミサはロープを登り、夜空に姿を消す。
 大喝采の最中、ビヤガーデンに警官達が押し入ってくる。
 文句の多い客は実は脱獄犯人であった。
 ミサは、人質を解放する代わりに、ロープで逃亡を手伝うと提案するのだが…」

・「一人芝居」
「母親にスポイルされたボンボン、竜一(25歳)。
 母親の死後、泣いてばかりで、すっかりフヌケ〜。
 ある日、彼は黒井医院を訪れる。
 彼の依頼は、母親そっくりに整形してはしいというものなのだが…」

・「奇妙な侵入者」
「政男は、アルバイトで貯めた、通学用のバイクを買う金をごっそり空き巣に盗まれる。
 彼はすっかりやさぐれ、自分も空き巣をしようと考えていた時、街頭占いをしているミサが話しかけてくる。
 彼女は彼の空き巣狙いに協力しようと言い、彼女は近所にある洋館がいいと占う。
 彼がそこに忍び込むと、金の置時計があるが、後は金目のものはなく、金庫の中は借用書ばかり。
 段々気の毒に思ってきたところに、金の置時計が壊れていることに気付く。
 彼は時計を修理しようとするのだが…」

・「コメディー・シリーズ その@ わが家は魔女一家」
「ミサとママは、父親が残業するかどうかで賭けをする。
 そこに、父親から残業との連絡があり、賭けはミサの勝ち。
 ミサが魔法を使ったと考えたママは、魔法を使って、仕事の邪魔をしまくる。
 結局、仕事にならず、父親は退社するのだが…」

・「ある時計収集家」
「ミサは、友人達とドライブに出かけるが、山奥で車が故障してしまう。
 山奥の岩山に一軒の洋館があり、ミサ達は電話を借りるため、訪れる。
 洋館の中には至る所に種々雑多な時計が飾られており、それは館の主人のコレクションであった。
 彼が時計を集め出したのは、一人息子の死の寂しさを紛らすためだと話す。
 そして、老人は、墓場から息子の死体を暴き、それを時計に改造するのだが…」

 ちょびっと考察。
・「シャムネコのミーコ」→喋る猫と言えば、サキ「トバモリー」があるけれど…。
・「潜入!死後の世界」→古賀しんさく・名義「死後の世界」(「怪談・56」)のリメイク。ダリの「古典解釈 ミレーの晩鐘」も使われております。
・「白装束の男」→作中に「マニトウ」が出ているのに、時代を感じます。

2021年5月14日 ページ作成・執筆

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