木々津克久「フランケン・ふらんA」(2008年8月20日初版発行)

 斑木ふらんは生命工学の天才、斑木直光博士の最高傑作。
 斑木直光は「生物学の悪魔」と呼ばれるほどの外科医技術を持っていた。
 博士が不在の間、研究所はふらんとその仲間が管理する。
 さて、今回の患者は…?

・「Ep.8:BEAUTIFUL WORLD」
「肖像画家の浦沢は重度の蓄膿症により失明の危機にあった。
 また、彼はファインアートを目指していたが、批評家には情念がないと一蹴。
 失意のさなか、彼はあるきっかけで斑木ふらんと出会う。
 ふらんは彼に眼球の移植手術を施し、十日後、彼の目から包帯が外される。
 彼の目に映った世界とは…?」

・「Ep.9:FAKE」
「宝石やファッションの有名ブランド、ロイヤル・モールトン。
 その実体は多国籍マフィアであった。
 モールトン会長が亡くなったことで遺産を巡り、社長と旧経営陣のダンバーが対立、一触触発の状態となる。
 社長は暗殺されそうになるも、狙撃手を捕らえ、ふらんのもとを訪れる。
 その目的は狙撃手を自分の影武者(フェイク)にすることであった。
 一方、ふらんは社長と敵対しているダンバーともつながりがあった。
 彼女は会長の隠し子だというジェイクを会長のDNAから創り出し、ダンバーはジェイクを会長の後釜に据えようとする。
 そういった様々な思惑が更なる混乱を呼び、泥仕合の様相を帯びていくのだが…」

・「Ep.10:COCKROACH」
「ふらんはある製薬会社から「遺伝物質の段階からゴキブリを駆除する薬品」の研究を依頼されていた。
 ある日、製薬会社の女社長、蛟流(こうりゅう)が部下二人と共にふらんの研究所を訪れる。
 蛟流は赤ん坊の頃から衛生完備の環境で育ち、異常なまでの潔癖症であった。
 ふらんと彼女が話をしていた時、異常事態発生のアラームが鳴る。
 第五実験室から実験用のゴキブリが大量に脱出したのであった。
 殺虫剤は効かず、研究所は外部との接触を絶たれ、ふらん達は応接間に閉じ込められる。
 ゴキブリの行動は統率されており、そのネットワークそのものが「意志」を表していた。
 ゴキブリ達は生存権を求め、ふらん達に三つの条件を提示するのだが…」

・「Ep.11:SNOW LIGHT」
「ある雪の降る日、城帝医大病院の前で、ふらんは泣いている女の子と出会う。
 彼女の兄は心臓の病気で瀕死なのであった。
 ふらんは少女と共に病院に行くが、院長はふらんを知っており、きっぱり拒絶。
 少女の兄は募金によりアメリカでの手術が決まっており、執刀医もその分野での大ベテランであった。
 ところが、兄を担当するアメリカの医者が強盗に撃たれ、重傷を負う。
 ふらんは城帝医大に乗り込み、兄の手術を強行しようとするも、院長は手術は予定通り行われると主張し、患者の引き渡しを拒否する。
 ふらんはあきらめて立ち去るも、次に打つ手は…」

・「Ep.12:MULTIPLIES」
「ふらんの通う高校の生徒、泉屋洋華(17歳)は二人の男子生徒に告白されていた。
 一人は幼馴染の服部翼で、もう一人はクラブの先輩の伊藤公正。
 二人は彼女を巡り、しょっちゅう取っ組み合いの喧嘩をする。
 洋華は二人とも大切に思っていて、どちらかを選ぶことなどできない。
 そこで、ふらんがある方法を提案する。
 その方法とは「細胞分裂」を応用したものなのだが…」

・「Ep.13:MULTIPLIES2」
「泉屋洋華の死体が路上で発見される。
 その死体は鋭利な刃物で切り刻まれていた。
 その事件を担当している警視庁の女捜査官(?)、久宝はある晩、被害者とそっくりな少女を目にする。
 しかも、その少女は暗い路地で何者かに襲われ、引き裂かれて死亡。
 久宝が銃を向けると、そこにふらんが現れる。
 ふらんは久宝に事情を説明し、彼女にも協力を仰ぐことに…」

・「Ep.14:MY LITTLE SISTER」
「研究所に何者かが侵入し、監視員を一人殺害する。
 監視カメラには黒い帽子に黒い衣装の少女が映っていた。
 彼女はヴェロニカと名乗り、挨拶に来たと話す。
 ヴェロニカは斑木博士に造られた殺人兵器で、ふらんの妹にあたる存在であった。
 ふらんは彼女に人を殺してはいけないと諭すが、ヴェロニカはその理由を問う。
 その時、研究所近くの森で通りがかりのキャンプ客がヴェロニカの仕掛けた地雷にかかる。
 瀕死の彼らを救うことで、ふらんは自分の立場をヴェロニカに見せるのだが…」

・「EXTRA EPISODE:BLOODY VERONICA」
「斑木博士とはぐれたヴェロニカは犬のパックと共に放浪していた。
 ある町に着くが、人がいる気配はあるのに、誰も家から出てこようとはしない。
 その夜、ヴェロニカが墓場で休んでいると、墓から喰人鬼(グール)が次々と現れる。
 喰人鬼たちは町へと向かっていき…」

・「禍談(マガバナ)」
「美しさ」
 少年の前に口裂け女が現れる。
 マスクを外した彼女への少年の反応は…?
「助けて」
 森の中、一人の登山客が「助けて」という声を耳にする。
 その声を頼りに進むと、ぽっかりと開いた野原に出るのだが…。
「ノゾキではない」
 ホテルの十階にあるプール。
 一人の娘が窓の外で誰かが覗いていると言うのだが…。
「心霊写真」
 見ただけで不幸になるという心霊写真。
 心霊写真には謎の人影が写っており、見る度にこちらに近づいてきていると言う。
 ある男性がその心霊写真を見せてもらうと、そこには…。
「停車中」
 ある電車に女性がとび込む。
 二人の駅員はバラバラになった死体を回収していくのだが…。
「犯罪者」
 ある公園でママ友が二人お喋りしている。
 そこに男の子が戻ってくるが、彼は突然、咳き込み始め…。
「過去」
 ある町を一人の男性が歩いていると、一人の少年が泣きながら、工事現場のバリケード壁を叩いている。
 よく見ると、少年は…。
(「チャンピオンRED」2007年7月号、2008年1〜6月号)

 二巻目も快調、快調!!
 個人的には、バカバカしさ炸裂の「FAKE」がお気に入りです。

2024年1月2日 ページ作成・執筆

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