ひたか良「幻竜戦記」(1994年3月25日初版発行)

「日本を守護する「四天」。
 北に玄武、東に蒼龍、西に白虎、南に朱鳥。
 「四天」の家の者は、天より授かった珠を身の裡に秘め、人であって人でない。
 舞台は東京。
 竜崎瑞尾の十六歳の誕生日は、彼女が蒼龍の後継ぎとして認められる日であった。
 両親を亡くした彼女は祖父より「火竜の剣」を受け取る。
 そこに、玄武黒岩宗家より名代が来るが、それは蒼龍の天珠を奪おうとする者であった。
 しかも、白虎と朱鳥の天珠は既に奪われていた。
 祖父は体内の珠を奪われる前に、自害し、天珠は瑞尾の体内に宿る。
 瑞尾は大雪の玄武宗家に向かうが、宗主の北斗はまだ子供で、力にまだ目覚めていなかった。
 北斗をサポートするため、虚空という男がついていたが、実はこの男が、北斗の母親をだまし、天珠を全て手に入れようと目論んでいた。
 だが、母親を殺されたことで北斗の力が開花し、瑞尾の「火竜の剣」の炎が虚空を飲み込む。
 瑞尾と北斗の二人は、白虎と朱鳥の天珠が宿った人物を捜すが、彼らはどこに…?
 一方、闇の四天(無幻、水魔王、山虎、黒鳥妃)が着々と復活の機会を窺っていた…」

 「ファンタジー・バトルもの」なのですが、どこか無理をしている感じです。
 ベテランさんなのでストーリーのツボは押さえてはいるものの、「練り込み不足」な印象は拭えないかも。
 正直なところ、単行本一冊で収まりきる内容ではなかったと思います。

2021年9月20日 ページ作成・執筆

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