サイキ敬子
「金色の瞳の悪魔@」(1989年9月15日初版発行)
「金色の瞳の悪魔A」(1990年2月20日初版発行)

「金色の瞳の悪魔@」
・「第一話/惨劇の序章」
「河内矢恵は高校一年生の少女。
 彼女には二宮透というボーイフレンドがいたが、心の中では、十年前に引っ越しで別れた氷口曜(ひぐち・よう)を想い続けていた。
 ある日の登校途中、バスが矢恵の方に突っ込んでくる。
 その時、彼女をかばったのが、当の氷口曜であった。
 彼は彼女のクラスに転入し、彼女は彼との再会を喜ぶも、かばってくれた時に、彼の眼が金色に光ったのが引っかかる。
 そして、彼は「キキ」という、ネズミに似た奇妙な生物をいつも懐に入れていた。
 しかし、曜の優しさは変わってはおらず、二人はどんどん接近していく。
 矢恵を妬む、ひばりという娘は、不良共を使って彼女を襲わせるのだが…」

・「第二話/哀しい悪魔」
「透は、氷口曜の恐ろしい秘密に気付く。
 だが、曜の魔力により、秘密を口外すれば、命が危うい。
 それでも、矢恵と曜が仲を深めていくのを目にして、彼は彼女に曜の秘密を明かす。
 そして、矢恵は、曜とその家族の真実を目にするのであった…」

・「第三話/出会い」
「矢恵のもとを去った曜は、別の町(電車で一時間程度)で、由加という少女と知り合いになる。
 由加は、優秀な義姉と違って品行は悪いとされていたが、実際は、動物好きな心優しい少女で、空き地でジョンという犬をこっそり飼っていた。
 似たような境遇から、曜と由加は徐々に親しくなっていく。
 だが、由加の周囲では、血生臭い殺人事件が次々と起こっていた…」

・「第四話/運命の始まり」
「由加は、曜の「金色の瞳」の秘密を知る。
 しかし、彼女はそれを全く恐れず、ますます彼のことが好きになる。
 一方の曜も、初めて、自分を恐れない人間に会い、心から安心感を覚える。
 その頃、矢恵は、二人の住む町に、曜を捜しに、毎週訪れていた…」

・「第五話/魔犬」
「由加は、曜が矢恵をいまだに思い続けていることを知り、嫉妬を燃やす。
 彼女は、矢恵の住む町を突き止め、彼女の前に姿を現す。
 そして、曜に会わせると、人気のないところへと連れ出す。
 そこで、由加はその目的を明らかにするが、「金色の瞳」を持つ「猛獣」の正体とは…?」

・「第六話/愛を求めて」
「曜は矢恵を由加の魔の手から助ける。
 その場には、彼の義兄もいたが、いつ何時、傷つけるかわからないと、曜は二人に別れを告げる。
 そして、矢恵を殺そうとした由加に、彼女にはもう会わないから、バカなことはやめるよう頼む。
 由加は納得したように見えたが、彼の心を見透かし、もう一度、矢恵の命を奪うため、策略を巡らす…」

「金色の瞳の悪魔A」
・「第一話/悪魔の一族」
「曜と矢恵が隣町に出かけた時、二人は、曜と同じ「金色の瞳」を持つ、若い男女に出会う。
 彼らの名は、九条卓と九条愛(まな)。
 彼らは曜と矢恵に襲いかかるが、曜も「金色の瞳」を持ち、また、「キキ」を連れていることに気付き、退散する。
 これがきっかけとなり、曜は、大手企業である九条グループ総裁、九条政時の孫であることが明らかとなるのだが…」

・「第二話/危険なライバル」
「後継者の座を曜に取られそうになり、九条卓と愛は、残忍な手段を使って、脅しをかける。
 怒りに燃える曜が、矢恵、義兄の洋と共に九条の邸を訪れると、九条政時が彼らを出迎える。
 彼は卓達の非礼を詫び、いとこ同士、仲良くしてくれるよう頼む。
 だが、矢恵に卓の魔手が伸びつつあった…」

・「第三話/奪われた記憶」
「しつこく曜の命を狙う九条卓と愛。
 しかし、卓の心境にある変化が生じていた。
 愛に飢えた人生を送って来た彼は、矢恵を欲しいと思い、彼女をさらう。
 曜は彼女を取り戻しに九条の邸へと向かうのだが…」

・「第四話/血の惨劇」
「記憶を封印された矢恵は、九条の邸で暮らすようになる。
 九条政時の力は曜の力を遥かに超えており、正攻法ではとても歯が立たない。
 そこで、曜は屋敷にキキを潜り込ませる。
 キキの働きで、矢恵は記憶を取り戻すことができたのだが…。
 様々な思惑が絡み合った果てに…」

・「第五話/宿命の対決」
「九条一族の前に現れた、奇妙な男女、神人(かみと)と御子(みこ)。
 彼らは、悪魔の一族とされる「金瞳一族」を葬り去るために、太古の昔に、神の里から遣わされた者達であった。
 九条政時は、自分の命を賭けて戦うが、神人と御子には通じない。
 曜、卓、愛の三人は彼らに立ち向かうのだが…」

2020年12月22・23日 ページ作成・執筆

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