きさらぎ綾「死体が泣く墓」(1988年7月20日初版発行)

「志織は、急な事故で、母親を亡くす。
 悲嘆に暮れている最中、病院から母親の死体が消失する。
 その夜、志織の夢に、母親が現れ、志織が来るのをを待っていると告げる。
 また、彼女の父親に、母方の祖母が会いに訪れる。
 祖母の話は、高遠家の後継ぎに志織が欲しいという内容であったが、父親は拒否。
 二人の会話から、志織は生後一年は祖母のもとにいたが、彼女の両親は、祖母の反対を押し切って、東京に来たということがわかる。
 実際、母親の過去については、生家を背景に写した写真一枚しか情報がなかった。
 母親の死体は見つからないまま、半年が過ぎ、今度は、母親の妹が亡くなったという知らせが入る。
 父親は仕事の都合で出られず、志織が代わりに葬儀に出席することとなる。
 高遠家は、長野の山田村にあったが、土地の人々は高遠家に恐れを抱いている様子であった。
 ようやく辿り着いた、高遠家の屋敷は古色蒼然とした旧家で、奇妙なことに、中庭に墓が立っていた。
 この墓を巡って、志織はおかしなことばかり体験する。
 入浴中に奇妙な人影が墓のあたりで消えるのを見たり、深夜、墓から女性の泣き声のようなものが聞こえてくる。
 更に、墓石には母親の名前が刻まれていた。
 そして、母の妹の葬儀でも、その死体が忽然と消え、墓にはその名前がいつの間にか刻まれる。
 志織は、この墓に母親の死体がなくなった秘密があると考えるのだが…。
 この墓の秘密とは…?
 そして、高遠家に伝わる掟とは…?」

 個人的には、ラストがすっきりせず、イマイチでした。
 あんな掟を律儀に守ってもなあ…。

2021年2月9日 ページ作成・執筆

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