御茶漬海苔「恐怖実験室A」（1995年6月20日初版発行）
・「恐怖実験室 第５夜」
「第一話 ドクター魔神 カルテ@ 足」
秋田小学校。
亀田という女子生徒は陸上部のエースである亜美に百メートル走の勝負を挑む。
負けたら死んでやると豪語するも、実力の差は歴然。
亀田が途方に暮れていると、見知らぬ男からドクター魔神を紹介される。
彼女はドクター魔神に名ランナーの一番速い足を付けてもらうのだが…。
「第二話 トイレ」
聖女子中学校。
三階の女子トイレの一番奥の個室はドアの取っ手が針金で固定されており、時々、中から叩く音が聞こえるという噂があった。
夜、加奈と夕香里の二人は噂が本当かどうか確かめに行く。
噂通り、個室の中から激しくドアを叩く音がするが、加奈はペンチでドアの取っ手の針金を切り、ドアを開ける。
中には誰もいなかったが、便器の蓋を開くと…。
・「恐怖実験室 第６夜」
「ドクター魔神 カルテA 顔」
私立名門中学校。
美術部の武木美千賀（ぶきみ・ちか）は自分の容貌にコンプレックスを抱いていた。
彼女は同じ部の川井時夫に想いを寄せるが、彼には美人の花岡春穂が積極的にアタックしていた。
ある雨の日、千賀は春穂の誕生日パーティに向かう。
途中、川で子猫が溺れているのを目にして、彼女は後先考えずに助けに行く。
彼女もまた溺れそうになるが、そこを時夫に助けられる。
彼女は着替えるため、一度帰宅し、遅れてパーティに駆けつけるも、そこで春穂から千賀の容貌に関して心ない言葉を浴びせられる。
プライドをズタズタにされた千賀は家で母親に八つ当たりした後、家をとび出す。
すると、見知らぬ男からドクター魔神を紹介される。
ドクター魔神は彼女に「自分の顔が嫌になった人の顔」の中で「一番美しい顔」を移植するのだが…。
・「恐怖実験室 第７夜」
「第一話 ドクター魔神 カルテB 手」
私立音楽中学校。
音羽歌子は母親からピアニストになるよう特訓を受けていた。
しかし、彼女には音楽の才能はあまりないばかりか、母親による折檻のために委縮して失敗ばかり。
ある雨の夜、家を追い出された彼女は見知らぬ男からドクター魔神を紹介される。
ドクター魔神は彼女に名ピアニストの中でも最高の手を彼女に付けるのだが…。
「第二話 電話」
ある夜、海運中学校一年Ｂ組の青木裕子は電話で「あんたを殺してやる」と脅迫される。
電話の相手は彼女が高峰という男子生徒と付き合っていることを恨んでいた。
翌日の放課後、裕子が一人で帰っていると、包丁を持った女子生徒に襲われる。
もみ合ううちに、裕子は相手を崖下に突き落とし、死なせてしまうのだが…。
・「恐怖実験室 第８夜」
「ドクター魔神 カルテC 妹」
森田小学校に通う雨月秋恵は成績優秀な良い娘。
だが、妹の春菜は姉に嫉妬し、姉に嫌がらせばかりする。
ある時、恋人からもらったブローチを春菜に壊され、ブチ切れた秋恵は妹を殴り殺してしまう。
見知らぬ男にドクター魔神を紹介され、秋恵は春菜の死体をその研究所へと運ぶ。
ドクター魔神の手によって、春菜は「一番優しくて姉思いの妹」に生まれ変わるのだが…。
・「恐怖実験室 第９夜」
「第一話 虫」
紅子はお腹をすかせると、学校の近くの森に行き、昆虫や芋虫を生で食べていた。
ある日、森でたらふく食べた後、彼女の顔や首筋、背中にたくさんのできものができる。
そのできものの中からは先ほど食べた芋虫が…。
「第二話 ドクター魔神 カルテD 声」
音大附属中学校。
軽音楽部所属の木奈子はだみ声かつ音痴でバカにされていた。
彼女は美しい声の響子に嫉妬し、彼女に硫酸を飲ませ、その喉を焼く。
更に、憧れの田村の心を掴むため、彼女はドクター魔人の研究所を訪れる。
彼女は世界中の有名歌手の喉の中で最高のものを移植してもらうのだが…。
・「恐怖実験室 第10夜」
「第一話 釘男」
ある学校に伝わる釘男の噂。
学校の帰り道、一人でいると、背後から釘男が現れるという。
小夏はその噂話を亜美から聞かされるが、下校途中、本当に釘男に襲われる。
釘男は彼女の顔中に釘を打ち込み、彼女は病院に運ばれるも、重体。
その手術中、小夏は突然、起き上がり、「亜美 今度はおまえの番だ」と高笑いした後、こと切れる。
亜美が釘男に怯えていると、学校の先生が釘男について詳しいことを話してくれる。
先生によると、釘男は20年前に死んでいるというのだが…。
「第二話 黒い沼」
夏。
姉のもとに妹の七恵がやって来て、裏山の沼に人形を落としたと泣きついてくる。
この沼では昔、人が一人亡くなっており、遊ぶことは禁止されていた。
姉は妹のため、沼に入って、人形を回収するが、何かに足を刺される。
その夜、刺されたところがかゆくて眠れない。
足の中では何かが蠢いているようなのだが…。
御茶漬海苔先生のお気に入りキャラ、「ドクター魔神」の登場する単行本です。
また、御茶漬海苔先生は卵やできもののブツブツ描写に定評がありますが、「第９話」の「虫」はかなりのヤバさです。
2023年11月6日 ページ作成・執筆