和田慎二「恐怖の復活」(1980年2月15日初版・1981年11月20日14版発行)

 収録作品

・「恐怖の復活」
「第二次世界大戦の潜水艦が引き揚げられる。
 その中身は二体のミイラで、ナチス・ドイツから極秘に日本に送られるはずのものであった。
 ミイラの柩の一つは小さめで華麗な装飾が施され、片方は粗削りでかなり大きく、男女のミイラと考えられる。
 クレーンでの運搬作業中、大きい方の柩が海に転落。
 引き上げられ、男性のミイラは無事であったが、女性のミイラは柩を開けたとたん、空気に触れ、装身具を残し、消滅してしまう。
 とりあえず、男性のミイラは、研究目的のため、私立のマンモス大学、湘南大学へと移される。
 その夜、ミイラが復活し、学生や警備員を殺害。
 ミイラは、女性のミイラがはめていた腕輪を追っているようなのだが…。
 そして、ミイラと包帯の間に詰めてあったクロレラの秘密とは…?」

・「ラムちゃんの戦争」(特撮のパロディーかつコメディー)
「小学五年の茜ラムは受験勉強の真っ只中。
 皆星塾での唯一の愉しみは隣席の大道寺元樹であったが、そのすぐ隣には、彼女のライバル、社長令嬢の山県桃子がいた。
 ある日、テストの最中、皆星塾は地震に襲われる。
 実は、皆星塾の地下では、今まで散々特撮ヒーローにひどい目にあわされてきた下っ端悪党達が、巨大なモグラメカで埋蔵金を探していた。
 ラムの恋の行方は…?
 そして、巨大モグラメカと、桃子の祖父が開発した、スーパーロボット「姫(プリンセス)」が対決する…」

・「アラビアン狂詩曲(ラプソディー)」(ファンタジック・コメディー)
「とあるアラビアの国。
 王の一人娘、サミール姫が、東の国の魔王、シャザ―ルに連れ去られてしまう。
 幾多の勇者が姫の救出に向かうものの、誰も帰って来たものはいない。
 最後に、商人のアマル・ザム・ハッサンという青年が、東の国に赴く決心をする。
 ハッサンとサミール姫は互いに想い合う仲であった。
 妃により、空飛ぶ亀(ガメラのいとこ)を得て、ハッサンは東へ飛ぶ。
 だが、途中、飛びエイの群れに襲われ、彼は海に転落、怪魚ガーリブに飲み込まれてしまう。
 ガーリブの胃を破壊し、脱出した彼は、魔女のイーニィ・ミーニィとマーニィ・ムーの二人と出会う。
 二人は、魔王に力を奪われ、ガーリブの中に閉じ込められていたのであった。
 ハッサンは、ミーニィとムーの二人と協力しながら、魔王の使いを次々と撃破。
 遂に、シャザ―ル城へと辿り着く…」

 個人的な印象ですが、ホラーよりも、コメディーの方が、作者がリラックスしていたのでしょうか、溌剌としていて、楽しめました。
 「アラビアン狂詩曲」、かなり好きです。

2019年2月14日 ページ作成・執筆

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