矢野健太郎「ハンターキラー美奈」(1991年6月15日初版・7月5日再版発行)

・「Vol.1 ハンターキラー!」
「桂木真人は映画研究部に属する少年。
 放課後、裏山の林の道を通ると、道端に銃が落ちていた。
 慌てて、廃ビルに隠れると、そこに短髪で若い女性が寝ている。
 銃はこの女性のものらしいが、顔色は真っ青。
 救急車を呼ぶかどうか迷っていると、不良達が、真人の女友達、谷山夏樹をむりやり連れて来る。
 エロい写真を撮られそうになったので、真人は銃で脅すが、不良に銃を奪われてしまう。
 そこに、上の階の娘が現れ…」

・「Vol.2 つぐもの!」
「真人達を救った娘の名は早川美奈。
 真人は彼女が不良達からオーラのようなものを吸い取るところを目にしていた。
 映画研究部の窯霧先輩は、それは「バンパイア(吸精鬼)」だと言うのだが…。
 一方、美奈を捜している二人の外国人らしい男女がいた。
 彼らは不良達を操り、真人を部室長屋の裏に呼び出す。
 真人・窯霧先輩、写真部の青島の三人がそこに行くと、不良達のひからびた死体があり、ロイとアニーという男女が現れる。
 「ハンター(狩人)」を名乗る二人は桂木真人に用があるようなのだが…。
 彼らが探す「継ぐ者」とは一体…?」

・「Vol.3 危険な少年!」
「吸血鬼=超人類の組織「ハンター」。
 彼らが人類から地球の支配権を得るために「継ぐ者」が必要であった。
 美奈は真人が「継ぐ者」であるかどうか知るために、彼に夢を見させる。
 それは、彼が、ひどい喉の渇きに苦しんでいると、首を切断された、夏樹の死体を見つけるというものであった。
 血だまりを前に彼は…」

・「Vol.4 キバをむく者!」
「美奈は、真人の安全のために、学校の事務員に化ける。
 新聞記者の村沢浩一朗は、真人が猟奇事件の情報を握っていると考え、喫茶店に連れ込むのだが…。
 その頃、真人の町に、ロイとアニーの上司、ジルがやって来る。
 ジルはロイ達の不手際を責め、アニーは、真人が「継ぐ者」かどうかはっきりさせることを約束する。
 翌日、女教師の青似良枝に化けたアニーは、学校の屋上に真人を呼び出す。
 彼女は夏樹を人質にとるが、そこに美奈が現れ…」

・「Vol.5 真人の異常!」
「真人は、負傷した美奈と同調(シンクロ)して、彼女をバイクで森へ連れていく。
 その森は霊的なスポットで、そこの霊光を浴びれば彼女は回復するのであった。
 だが、ジルによる「傀儡(ドール)」の群れが彼らを襲う。
 二人は戦ううちに、離れ離れになるが、真人は何故か、「傀儡」に対して圧倒的な力を持っていた。
 残る「傀儡」はあと六体という時…」

・「Vol.6 亜人類!」
「真人と美奈は、亜人類(=吸血鬼)対策委員会の研究施設に囚われる。
 拘束され、実験体にされた美奈は、亜人類とその組織「ハンター」について知っていることを話すよう要求される。
 だが、自分の「敵」ではないとわからない限り、協力を拒否。
 業を煮やし、彼らは真人に暴力をふるい、彼から聞きだそうとする。
 美奈の怒りが頂点に達した時、彼女の本当の力が…」

・「Vol.7 ビギニング!」
「平穏な日常生活を取り戻した真人。
 だが、それはかりそめのものでしかなかった…」
(「月刊少年チャンピオン」1986年6月号〜12月号)

 前の袖の、作者コメントに書いてある通り、「ストーリー上 未消化だった部分」や「張りっぱなしでフォローのない伏線」だらけで、中途半端な作品になっております。(打ち切り?)
 正直なところ、失敗作でしょう。
 というワケで、お勧めはしかねるのですが、矢野健太郎先生のちょいエロな女性キャラを楽しむぶんには問題ないです。
 また、月刊少年紙では制約のあったイメージを、イラストギャラリーとして三点載せております。(幻想的、かつ、エロスな内容です。)

2021年9月16日 ページ作成・執筆

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