つのだじろう「恐怖新聞E」(1975年3月10日初版・1981年4月15日23版発行)

・「第十六話 ピアノ(続き)」
「様々な怪奇現象が起こったにも関わらず、石堂中学校の講堂で「秋の学校音楽コンクール」が開催される。
 「自由曲」の部が始まるが、参加者は皆、何故か「展覧会の絵」を弾く。
 しかも、全く同じ弾き方で、会場では困惑が広がる。
 その頃、中神洋介が鬼形を訪ねて来る。
 ピアノの持ち主がわかったと言うのだが…」

・「第十七話 除霊」
「中川洋介が鬼形に、凄い霊能者のことを知らせに来る。
 それは新潟県の山中に住む桐法大師(65歳)であった。
 恐怖新聞から「血みどろの戦い」になると予言されるが、鬼形は中川洋介と共に新潟へ除霊に向かう。
 桐法大師は鬼形を崖の上のお堂に入らせて、絶対に出てはならないと命ずる。
 鬼形を憑依霊から切り離した後、桐法大師はお堂の前で除霊の儀式を開始する。
 桐法大師と新聞配達員の霊の命を賭けた勝負の行方は…?」

・「第十八話 奇妙な妹」
「下校途中、鬼形は奇妙な女の子に声をかけられる。
 女の子は、自分は彼の妹、鬼形礼子(小学二年生)と名乗り、家にずかずか入り込んでくる。
 家族は呆気にとられるが、礼子の言うことはいちいち当たり、警察に連絡しても、彼女に該当する家出人等はいない。
 仕方なく、鬼形の両親は彼女を一晩泊らせる。
 その夜、鬼形の部屋に礼子が現れる。
 彼女の姿は悪霊に変化し、彼は寝室から逃げ出すも、あっさり、追い付かれる。
 礼子は恐怖新聞を手にしており、彼は少女に悪霊がとり憑いているのではないかと疑う。
 翌日、鬼形は過労で倒れ、入院する。
 鬼形が病院のベッドで休んでいると、中神洋介がニュースを持ってくる。
 そのニュースとは、鬼形礼子の正体が判明したことであった。
 彼女の名前は名乗った通り、鬼形礼子で、その両親は鬼形礼の両親と同姓同名であった。
 彼女は静岡の家を家出して、電車に乗り、鬼形礼の家に来たのだが、その理由は全くわからないという。
 鬼形は礼子から解放されて、ほっとするが、病院に鬼形礼子が入院することになる。
 両親に連れられて、新潟に帰ろうとした時、駅で倒れたという。
 その夜、鬼形の病室に現れたのは…?」

・「第十九話 背中がこわい」
「新聞記者の中神洋介は心霊現象にとても興味を抱いていた。
 彼は鬼形にある頼み事をする。
 それは、彼の近所である、赤坂町の大仙寺で、奇妙な出来事が起こったので、調査に付き合ってほしいというものであった。
 数日前、大仙寺の墓場に理加という名の赤ん坊が捨てられる。
 一年前に赤ん坊を亡くした女性がその捨て子を見つけ、これも何かの縁と育てることにする。
 その夜、赤ん坊がひどい夜泣きをするので、女性は外にあやしに出かけるが、墓場の方に足が向く。
 その墓場のあたりで何か怪異が起こったらしく、その後、彼女は赤ん坊がオバケだと叫んで、病院に閉じこもる。
 また、託児所でも、赤ん坊を世話した保健婦が次々と熱を出して、寝込んでしまったのであった。
 ことの真相を突き止めるため、中神洋介は託児所から赤ん坊を預かる。
 その夜、赤ん坊の夜泣きが始まり、洋介は赤ん坊を抱いて、大仙寺の墓場に向かう。
 すると、赤ん坊がどんどん重くなり、彼は鬼形に抱くよう頼む。
 鬼形が抱いてみると、確かに赤ん坊とは思えないぐらい、重い。
 彼が抱いていたものとは…?」

2022年5月27・28日 ページ作成・執筆

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