つのだじろう
「恐怖新聞U@」(1991年3月10日初版・1994年3月15日8版発行)
「恐怖新聞UA」(1991年12月15日初版発行)
「恐怖新聞UB」(1992年9月30日初版発行)
「恐怖新聞UC」(1993年6月20日初版発行)
「恐怖新聞UD」(1993年9月30日初版発行)
「恐怖新聞UE」(1993年12月10日初版発行)



・「第一話 あなたの首をください!!」(単行本@)
「本堂幽子(16歳)は京府高校一年の少女。
 ある夜、二階の彼女の部屋に奇妙な新聞が届けられる。
 その新聞は「恐怖新聞」という名前で、「首を失って死んだ浮かばれない霊」に彼女が狙われていると書かれていた。
 翌日、彼女は恐怖新聞の予言通りに、首のとれた石膏像を目にする。
 望月恵という霊現象を研究している少女に「恐怖新聞」について教えてもらうも、巻き添えを怖れ、助けてはもらえない。
 その日の夜、彼女の部屋に姿は見えないが、人の気配が現れ、「首をくれえ〜」と彼女に襲いかかってくる。
 彼女の悲鳴を聞きつけ、両親が駆けつけると、幽子の首に赤い横スジがついてい
 翌日の登校途中、彼女は街頭の占い師に呼び止められる。
 彼は彼女が凶悪な女の幽体にとり憑かれていると指摘し、晩の八時半、知り合いの霊能者を連れてくると約束するのだが…」

・「第二話 お父さん!どうしたの!?」(単行本@)
「母の死後、幽子は父親と支え合って生活する。
 だが、ある夜、彼女のもとに恐怖新聞が届き、「本堂家にまた不幸」と予言。
 記事には「本堂家の中になにかが入り込」むと書かれており、彼女が窓の外を覗くと、ガイコツのような男が道路に立って、彼女の家を窺っていた。
 父親がバットを持って外に出ると、父親の悲鳴が聞こえる。
 父親によると、「白い影のようなもの」が彼に向かってきて、体の中にとび込んだように感じたらしい。
 以来、父親の様子がおかしくなり、娘の命を狙うようになる。
 「白い影のようなもの」の正体は…?」

・「第三話 ポルターガイスト」(単行本@)
「天涯孤独の身となった本堂幽子。
 だが、両親の遺した家と貯金があり、高校卒業まではどうにかなりそうであった。
 ある夜、彼女のもとに恐怖新聞が届く。
 それには叔父夫婦が彼女の家に住み込み、家を自分たちのものにしようと画策していると書かれていた。
 彼女は叔父夫婦の企みを阻止しようとするのだが…」

・「第四話 謎の転校生」(単行本@)
「本堂幽子は京府高校の教師、西野文子に引き取られる。
 幽子がそのマンションの部屋で休もうとした時、恐怖新聞が届く。
 それによると、明日、彼女のクラスに田垣史人という男子が編入してくるという。
 だが、田垣史人は一か月前に交通事故死しており、その死体は突如、消失していた。
 翌日、彼は彼女の隣の席になる。
 彼女は恐怖新聞に書かれていることが事実かどうか確かめようと彼に尋ねると、彼はそのあたりの記憶が曖昧なだけでなく、もっと前に死んだという記憶もあるという。
 しかも、彼は「恐怖新聞」という言葉に非常に敏感に反応する。
 幽子が彼について詳しく調べていくと…」

・「第五話 鬼形礼は生きている!」(単行本@)
「幽子は田垣史人に鬼形礼の霊魂が入っていると確信する。
 そして、彼女が恐怖新聞に対抗するためには、鬼形礼の霊魂が記憶を取り戻すことが必要不可欠であった。
 田垣は彼女に協力することを約束し、彼女に恐怖新聞が来る時、自分も立ち会おうと話す。
 しかし、西野先生のマンションに田垣を連れ込むわけにはいかず、幽子は自分の家に戻ろうとするのだが…」

・「第六話 小さな妖怪」(単行本@)
「本堂幽子は自宅で一人暮らしを始める。
 恐怖新聞につきまとわれている以上、他人と親しくはできないが、田垣だけは彼女を心配し、まめに訪ねてくれる。
 ある夜、彼女のもとに恐怖新聞が届く。
 それには彼女が行方不明になると書かれてあり、実際、その通りになってしまう。
 田垣は彼女の家を訪ねると、家の中に彼女の気配はある。
 板壁の向こうに彼女の体はあったものの、彼女の幽体は抜けていた。
 彼女がいるのは…?」

・「第七話 幽子の殺人」(単行本A)
「幽子の身体に『一つ目とかげ』という妖怪がとり憑いてしまう。
 一つ目とかげは口では味方だと言うものの、幽子を操り、彼女が思ってもいないことを言わせたり、したりさせる。
 しかも、抜き打ちテストで百点を取ったことから、彼女は不良グループに目を付けられてしまう。
 恐怖新聞は幽子が殺人を行うと予言しており、彼女は早退して、その予言を避けようとするのだが…」

・「第八話 霊査」(単行本A)
「幽子は田垣に一つ目とかげに憑かれたことを打ち明ける。
 田垣は知り合いの記者に相談し、南郷史絵という霊能者を紹介してもらう。
 南郷史絵は一つ目とかげを霊査し、地獄へと送り返す。
 除霊の後、幽子は南郷に恐怖新聞のことを相談するのだが…」

・「第九話 悪霊消滅」(単行本A)
「殺人の容疑をかけられた幽子は身の回りの荷物をまとめて、日光の中禅寺湖にやって来る。
 彼女はこれまでのつらい体験に疲れ果て、自殺するつもりであったが、ある老婆に助けられる。
 彼女は老婆の家で休むうちに眠り込んでしまい、気が付くと夜で、老婆の姿はない。
 外に出てみると、人骨が道端に落ちている。
 そこに恐怖新聞が現れ、彼女が鬼婆の手で人身御供にされると書かれていた。
 恐れおののく幽子に老婆が襲いかかる。
 老婆の正体は…?」

・「第十話 恐怖新聞消滅?」(単行本A)
「田垣のお陰で、恐怖新聞は届かなくなり、幽子は平穏な日々を取り戻したかに見えた。
 だが、悪霊は新聞ではなく、電話に手段を変えただけで、幽子は再び絶望のどん底に突き落とされる…。
 一方、鬼形礼の霊は自分がどこにいるのかわからず、さまよっていた。
 親切な浮遊霊にここは現界と教えられ、彼は幽子のもとへ戻り、彼女を助けようとするのだが…」

・「第十一話 心霊研究会」(単行本A)
「望月恵の提案で、幽子たちは『心霊研究会』を結成する。
 彼女たちは三年の御前零士に声をかけ、その夜、三人は幽子の家で相談をする。
 御前零士は、記録が大切で、午前二時に幽子にかかってくる悪霊からの電話を録音して、データを検討する必要があると説く。
 早速、実行に移すも、彼らは激しいポルターガイスト現象に襲われる。
 御前零士と望月恵は幽子の家から逃げ出すが、悪霊は御前零士に目を付けて…」

・「第十二話 インチキ霊能者」(単行本A)
「御前零士は姫小路綾乃という霊能者に幽子を引き合わせる。
 姫小路綾乃は拝金主義のインチキ霊能者で、霊を追い出すためと称して幽子を殴打する。
 鬼形礼の霊は姫小路を脅して、幽子から手を引かせる。
 また、彼は必死になれば幽子に気配だけでも通じさせることができることを知り、わずかな希望を持つ。
 しかし、幽子を狙う悪霊集団はあまりに巨大であった…」

・「第十三話 幻橋」(単行本B)
「隣の町の外れに音無川という川があり、真幌橋という名の橋がかかっている。
 この橋は木と石で作られた古い橋で、車は普通車が一台、ゆっくり走れる程度。
 また、この橋は通称「幻橋」と呼ばれていたが、それはこの橋の途中で車がエンストする事故が度々起こっているからであった。
 しかも、人によって違うが、着物姿の男性、もしくは女性の幽霊を目撃したという。
 幽子は恐怖新聞でこの橋のことを知り、望月恵と共に調べに行く。
 幻橋にはプロのカメラマンの男性がいて、しきりに写真を撮っていたが、彼は十日前にここで心霊写真を撮ったと話す。
 その写真には首を吊った男の幽霊の首部分がはっきりと写っていたのだが…」

・「第十四話 水の中への階段」(単行本B)
「幽子の家からさほど遠くない場所にある竜ヶ池公園。
 この竜ヶ池はきれいな湧き水の池であったが、池の畔にホテルを建設しようとした際に地下水脈を断ち切ったため、今はすっかり汚れ、ゴミだらけであった。
 恐怖新聞によると、池の畔には建設途中のホテルの廃墟が残っており、地下に降りる階段をどんどん進むと、「竜宮城」のような美しい霊的空間が広がっているらしい。
 幽子はことの真偽を確かめるために、望月恵と一緒に廃墟を訪れる。
 でも、実際に見てみると、とても水の中に入っていくような雰囲気ではなく、躊躇していると…」

・「第十五話 猫の少女」(単行本B)
「ある雨の日、幽子は下校途中に小さな捨て猫を拾う。
 彼女は子猫に「レイン」という名をつけるも、レインはすぐに姿を消してしまう。
 その夜、彼女は金縛りにあい、奇妙なお告げを聞く。
 それは「明日、一人の女の子に会い、彼女の話をよく聞けば、恐怖新聞から守ってもらえる」という内容であった。
 翌日、彼女は雨の中、一人の少女と出会い、家へと連れ帰る。
 少女は猫目雨子と名乗り、恐怖新聞を避けるためにたくさん猫を飼えばよいと教える。
 幽子はまたたびを買ってきて、家に置くと、たくさんの猫が寄ってくる。
 以来、幽子が猫だらけの家に住むようになると、実際に恐怖新聞が届かなくなる。
 だが、悪霊がこのまま、だまっているはずがなく…」

・「第十六話 鈴のなる時」(単行本B)
「ある夜、幽子のもとに恐怖新聞の悪霊から予告電話がかかってくる。
 それは鈴の音と「明日 学校 鈴木美鈴」という言葉だけであった。
 翌日、彼女は学校で同じ鈴の音を鳴らしている少女と出会う。
 しかし、彼女は鈴木美鈴ではなく、白井梨恵という名の少女であった。
 白井梨恵は雨の日、ある家の軒先で雨宿りをしていると、その家の婦人から中に入って休むよう勧められる。
 そして、婦人から鈴木美鈴とう少女の鈴を託されたという。
 これには霊的な力があり、これを持っていれば鈴木美鈴に必ず会えるらしい。
 幽子はその話を聞き、戸惑うが、下校途中、急な雨に襲われる。
 彼女が雨宿りした家が白井梨恵が雨宿りした家で、幽子もその家の婦人から鈴を渡される。
 だが、実際にはその家は空き家で、婦人は幽霊であった。
 幽子たちは鈴木美鈴と会うことができるのであろうか…?」

・「第十七話 死者からの手紙」(単行本B)
「幽子は工藤貴子という少女から相談を受ける。
 この相談というのは死者からの手紙であった。
 差出人は小窓環という貴子の中学時代の親友で、二年前に交通事故死していた。
 そして、手紙の内容は親友を裏切ったことに対する呪詛であった。
 と言っても、貴子には心当たりがなく、困惑するばかり。
 また、彼女の恋人の秋山雄二は悪趣味ないたずらと主張してはばからず、貴子と喧嘩になる。
 その夜、幽子のもとに小窓環の幽霊が現れる。
 小窓環は貴子が彼女の恋人を秋山と奪ったと言い、二人の仲を裂くよう幽子に頼むのだが…」

・「第十八話 床下にうごめく」(単行本B)
「京府高校の職員室で幽霊騒ぎが起こる。
 用務員さんによる人魂の目撃、また、先生たちが相次いで奇妙なケガをする。
 更に、夜中に学校に忍び込んだ女子生徒が一人怪死する事件が発生。
 彼女の死体は職員室の床下にあったが、どうやって床下に潜ったのかが皆目わからない。
 そして、それを発見した幽子も…」

・「第十九話 生まれ変わり」(単行本C)
「本堂幽子は恐怖新聞のために寿命が尽き、地獄に引きずり込まれそうになる。
 そのピンチを救ったのが鬼形礼で、彼は彼女を人間に生き返らせようとする。
 幽界で幽子は彼女の前世の霊、そして、守護霊に会い、鬼形礼と「魂の結婚式」を行う。
 彼女が生まれかわるのは…?」

・「真・恐怖新聞 序章」(単行本C)
「高校生の和恵は最近、トラブル続き。
 しかも、悪いことが起こる前には何か予感のようなものがあり、ある時、車に轢かれそうになった時に奇妙な人影を目にする。
 その夜、彼女は老婆の悪霊に片腕を喰いちぎられる夢を見る。
 更に、夢の中に見知らぬ美青年が現れ、眩い光で悪霊を消滅させると、彼女と一体化する。
 翌日、彼女はその美青年を町中で見かけるが、彼が空を飛んでいるにも関わらず、他の人には全く見えていない。
 彼女が恐怖に慄いていると、美青年が彼女に話しかけてくる。
 彼は彼女の味方だと言うが…」

・「真・恐怖新聞 第一話」(単行本C)
「鳥居ほたるは私立神楽学園の女子生徒。
 ある夜、彼女は西新宿の「暗闇坂」という場所で、着物姿でびしょ濡れの女の幽霊を視る。
 誰もまともに取り合ってはくれないが、次の日の夜、彼女に恐怖新聞が届く。
 新聞には、この夜に彼女は再び女の霊と会い、翌日から原因不明の高熱を出すと予告されていた。
 予告通り、彼女は女の霊にとり憑かれ、体は水に浸かっているかのように冷え切ってしまう。
 母親が救急車を呼ぼうとした時、「九重みやび」という女子高生が訪ねてくるのだが…。
 女の霊の正体は…?」

・「真・恐怖新聞 第二話」(単行本C)
「女子高生の小松早紀は下校途中に奇妙な少女と出会う。
 少女の名は「九重みやび」で、早紀のもとに近々恐怖新聞が届くと予言する。
 以来、早紀は何者かの視線を感じるようになる。
 翌日、彼女は教室で視線を感じ、その気配を追って体育館裏に行くと、腹部を刺された女性が倒れていた。
 女性はジョギング中に何者かに襲われたらしく、今わの際に「黒い影」に付きまとわれていたと早紀に話す。
 その夜、早紀の寝室に恐怖新聞が届く。
 恐怖新聞によると、黒い影は人間を死に引きずり込むために後をつけており、ジョギングをしていた女性もその犠牲者であった。
 翌日の放課後、早紀は再び九重みやびという少女と出会い…」

・「真・恐怖新聞 第三話」(単行本C)
「矢神一家は東京品川区に最近建てられたマンションに越してくる。
 娘の矢神千秋はここがどうも住みにくいという印象がぬぐえなかった。
 また、彼女の部屋の壁には人の生首のようなシミが浮き出し、妙に気になる。
 ある夜、彼女は金縛りにあい、壁のシミから生首が現れ、その直後、彼女の部屋に恐怖新聞が届けられる。
 それには彼女が飛び降り自殺をすると書かれていた。
 彼女が恐慌を来していると、生首が彼女に迫り、彼女は三階から転落する。
 その彼女を地上でキャッチしたのが「九重みやび」という青年であった。
 その夜、彼女は母親と一緒に寝るが、翌朝、母親の部屋の壁にも生首のシミができていた。
 彼女は九重みやびと再会し、事情を説明すると…」

・「真・恐怖新聞 第四話」(単行本C)
「春美の妹、あゆみの様子が最近、おかしい。
 彼女は誰もいないのに話をしていて、聞くと、死んだ祖父と話していると言う。
 更に、未来の予知をして、あゆみが生まれる前に死んだにも関わらず、祖父の写真をぴったり当てる。
 どうやらあゆみには祖父の霊が視えているようなのだが、春美にも祖父の霊らしき声が聞こえるようになる。
 しかし、その声は彼女を罵倒し、死んだ方がマシと繰り返す。
 祖父は優しい人物で、そんなことは言わないはずなのだが…」

・「真・恐怖新聞 第五話」(単行本D)
「ある平凡な女子高生。
 彼女が公園を歩いていると、暑さと太陽で目が眩み、気を失いかける。
 周りで彼女を心配する声が聞こえるので、どうにか立ち上がるが、周りには人の姿はなく、カラスしかいない。
 実は、彼女は立ち眩みを起こした時から、動物の言葉がわかるようになったのであった。
 彼女は超能力を得たと喜ぶが、その夜、「恐怖新聞」にまつわる奇妙な夢を見る。
 目覚めた後、彼女は自分の中にもう一人の自分がいることを知るのだが…」

・「真・恐怖新聞 第六話」(単行本D)
「ある夜、少女は猫の鳴き声で目を覚ます。
 家の中から聞こえるようだが、どこにもおらず、もう一度寝ると、自分の部屋にいるように感じる。
 次の日の夜、彼女が猫の鳴き声で目を覚ますと、何匹もの猫に襲われる。
 それは幻覚のようであったが、彼女の左の頬には猫のひっかき傷が残される。
 更には、翌日の帰宅途中、彼女は猫に襲われ、右目に爪を立てられ、重傷を負う。
 彼女が何故、自分がこんな目に遭うのか訝っていると、奇妙な女の子に出会う。
 女の子は少女が猫の霊魂に祟られていると言い、祖母に話を聞くよう勧める。
 祖母が語るには…」

・「真・恐怖新聞 第七話」(単行本D)
「ショートストーリーが三編。
『最も恐ろしい話』
 バルセロナオリンピックに出場した長距離の女子ランナーは霊感があり、予知夢をよく見ていた。
 レース前夜、彼女は選手宿舎で予知夢を見るが、それは彼女がうまく走れず、他の選手にどんどん抜かれてしまうというものであった。
 そして、夢の最後に見知らぬ女性が彼女になんかメダルは取れないと嘲り笑う。
 彼女は逆夢であることを願うのだが…。
『鏡の奥の気配』
 岡本かな子は洗面所の鏡台に妙な気配を感じる。
 この鏡台は祖父母の家で使っていたもので、祖父が死んで家を売る時にもらってきたのであった。
 この鏡が来てから、かな子は抜け毛が多くなり、髪の量が少なくなっている気がする。
 妙な気配は相変わらずで、霊能者を呼び、鏡を霊査してもらうと…。
『怖い!怖い!!』
 校内暴力やいじめのはびこる、ある中学校。
 ここには石尾徹子という非常にタチの悪いスケ番がいた。
 相良弘子は大人しく真面目な生徒で、石尾徹子の一味に目をつけられ、いじめられる。
 親友の神田ますみは彼女を励ますも、弘子は耐えられず、校舎の屋上から飛び降り自殺をする。
 弘子が死んで七日七晩経った夜…」

・「真・恐怖新聞 第八話」(単行本D)
「高橋ひとみは郊外のマンションに住む女子高生。
 ある日、彼女のマンションを見知らぬ老婆が訪れ、これは高橋家のものだからと骨壺を渡そうとする。
 ひとみが断っても、老婆は引かず、自分の住所と氏名を伝えると、骨壺をムリヤリ置いて帰る。
 父親の帰宅後、父親はひとみと一緒に老婆の住所に向かうが、そこは墓場で、住職に聞くと、その老婆は酒井ハナという名で、老人ホームで亡くなっていた。
 酒井ハナは無縁仏として葬られていたが、ひとみの母親の旧姓が酒井で、全く関係がないとは断言できない。
 とりあえず、骨壺は住職に預けて帰宅するが、何故か、あの骨壺がひとみの部屋に置かれていた。
 翌日、ひとみが下校しようとすると、見知らぬ女性がひとみに老婆の霊が憑いていると声をかけてくる。
 その霊は高橋ヒサという名前というのだが、ひとみとの関係は…?」

・「真・恐怖新聞 第九話」(単行本D)
「大槻鈴枝は霊魂というものを全く信じなかった。
 彼女のもとに恐怖新聞が届いても、娘バージョンの九重みやびが警告しても聞く耳を持たない。
 更に、彼女の部屋に猫の霊が現われ、壁に血の女の顔が浮き出ても、幻覚と思い込もうとする。
 そこで、イケメン・バージョンの九重みやびで彼女に接近し、彼女に猫の霊が憑いていると告げる。
 みやびは彼女の信頼を得て、彼女の部屋に行くと…。
 彼女を狙う霊の正体は…?」

・「真・恐怖新聞 第十話」(単行本D)
「池見エリは急性白血病で入院していた。
 両親はそのことをひた隠しにしていたが、恐怖新聞によってエリの知るところとなる。
 自分の死期を悟ったエリは父親の田舎にある「あやめ寺」の湧水に興味を抱く。
 その湧水はとてもおいしく、『命の水』と呼ばれていた。
 「あやめ寺」があるのは北陸の山奥でエリが行くのは無理だが、母親がその湧水を汲みに行く。
 しかし、恐怖新聞の悪霊はどこまでも妨害をして…」

・「私の恐怖体験 掛軸の霊言」(単行本D)
「つのだじろう先生が岐阜の霊能者、前田和慧さんと会った時のこと。
 前田和慧が突然、掛軸が視えると言い出す。
 そして、つのだ先生の知り合いに足を怪我した大きな女性がおり、その女性が持っている掛軸が押し入れの天袋に押し込まれているが、すぐに元の場所に戻すよう、霊魂が望んでいると告げる。
 つのだ先生がもしそうしなかった場合は…」

・「真・恐怖新聞 第十一話」(単行本E)
「馬場さおりはある墓地のそばを通ると、頭がズキズキ痛み、体がそちらに引っ張られる感じがする。
 友人はお墓の人に呼ばれてるのかもと言い、墓地をバックにさおりの写真を撮る。
 その写真には魂のようなものが写っており、さおりが霊とは関係ないと否定すると、笠原啓子という女子生徒が話に割り込んでくる。
 笠原啓子はさおりが霊魂に呼ばれているのがわかると話し、放課後、さおりを例の墓地へと連れて行く。
 そこで彼女の体を強く引っ張る墓があったが、その墓は笠原家のもので、笠原啓子は姿を消していた。
 翌日、さおりは笠原啓子のクラスに行くが、そのような生徒はいないと言われる。
 たまたま、そこにいた女教師は笠原啓子を知っていたが、笠原啓子は五年前に校舎から原因不明の飛び降り自殺をしていた。
 その夜、さおりのもとに恐怖新聞が届く。
 それには笠原啓子は目の疾患で失明しそうになり、世をはかなんで自殺したと書かれていた。
 以来、さおりの視力は急速に下がり始め…」

・「真・恐怖新聞 第十二話」(単行本E)
「若い女性がある家に引っ越して、自分の部屋を持つが、その部屋が妙に冷える。
 特に、ベッドのあるあたりが問題で、ベッドに寝ると、冷気が床から上に抜けているような感じがある。
 しかも、彼女が就寝中水の滴る音が聞こえ、部屋の中には霧が発生していた。
 彼女が不審に思っていると、消したはずのテレビがつき、「霊界通信」という番組が流れ始める。
 司会者は九重みやび(イケメン・バージョン)で「水にかかわる霊魂の話」をする。
 その話が彼女の家で起きる現象とことごとく一致し、彼女は青ざめる。
 翌日、彼女は家が建っていた場所が過去に何があったのか調べるため、図書館で江戸時代の古い地図を借りる。
 見てみると、彼女の家がある場所には松枝検校という人物の家であった。
 その場に九重みやびが現れ、彼女の家を訪れ霊査する。
 彼女のベッドがある場所には井戸があったというのだが…」

・「真・恐怖新聞 第十三話」(単行本E)
「九重みやびの活躍により、恐怖新聞の悪霊たちは人間を魔界に誘い込めなくなる。
 そこでターゲットを九重みやびに絞り、魔界の総力を彼女にぶつける。
 まず、女子高生に化けた悪霊を使い、九重みやびを川土手に誘い出し、彼女を魔界に通じる霊界トンネルに突き落とす。
 トンネルの先は「暗闇地獄」で、悪霊は彼女を「孤独地獄」へ誘導する。
 独りぼっちの彼女が脱出ルートを探して彷徨っていると…」

・「真・恐怖新聞 第十四話」(単行本E)
「恐怖新聞に関わる悪霊の中でも魔王クラスが現れ、九重みやびに地獄の業火を浴びせる。
 上級霊界からの霊水の雨によって、みやびは助かり、悪霊は退散。
 このチャンスに九重みやびは地獄に戻り、悪霊の後をつける。
 本拠地らしき洞穴を見つけるが、そこは…?」

・「真・恐怖新聞 第十五話」(単行本E)
「霊体にかなりのダメージを負ったものの、九重みやびは恐怖新聞の本拠地を壊滅させる。
 しかし、ある夜、彼女は恐怖新聞のようなものが宙を舞うのを目にする。
 一人の少女がその新聞を手にし、楽しそうに読んでいるが、その少女は死者の霊魂であった。
 彼女が読んでいたのは…?」

・「真・恐怖新聞 最終話」(単行本E)
「恐怖新聞はまだ滅んでおらず、九重みやびは地獄を再び訪れる。
 だが、もう一人の自分と出会ったことで、彼女の霊能力は消滅。
 恐怖新聞の悪霊を前に彼女は怖気づくのだが…。
 九重みやびの運命は…?」

・「私の恐怖体験 霊の棲む部屋」(単行本E)
「つのだ先生はある霊能者から鈴原美和(23歳)という女性を紹介される。
 彼女は北海道から上京してきたが、昔から重度の霊障に悩まされてきた。
 霊能者によると、彼女の魂の本体に大蛇が絡みついており、除霊をしようとしたものの、うまく行かず、ひどい目にあったという。
 別の霊能者の紹介を頼まれ、とりあえず、つのだ先生が彼女から詳しい話を聞くと…」

 名作「恐怖新聞」の続編で、「サスペリア」(1990年8月号〜1993年8月号)に掲載されました。
 「サスペリア」誌がつのだ先生に「『恐怖新聞』の女性版」を依頼したとのことで、主人公は女子高生。
 二部構成で第一部は「恐怖新聞にとり憑かれた本堂幽子を鬼形礼の霊が助けようとする」話で、第二部は「真・恐怖新聞」のタイトルで「本堂幽子と鬼形礼の霊魂が合体し、九重みやびとなり、恐怖新聞と対決する」話になっております。
 相変わらず、クセの強い内容に加えて、第一部は少女マンガらしく不幸の連鎖なのでゲンナリしますが、ベテランらしく、やっぱり、面白いです。
 単行本が絶版なため、なかなか読むのは難しい作品ですが、「恐怖新聞」を楽しめた方なら十分お勧めできます。
 鬼形礼にも彼女ができましたしね。

 ちなみに、この作品をベースにオリジナル・ビデオが作られております。
 だいぶ、内容が変更されており、B級ではありますが、円谷映像株式会社が制作しております。

2025年5月1・2・6・8・13〜15日 ページ作成・執筆

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