冬木るりか「ふたり迷宮」(1988年3月15日初版・1990年2月10日7版発行)

 収録作品

・「ふたり迷宮」
「悠奈(17歳)は幼い頃からもう一人の自分を夢に見ていた。
 もう一人の自分はいつも悲しげな表情をしていたが、最近、冷たい目をして笑うようになり、悠奈はそれが気にかかる。
 ある日、母親と姉の立ち話から、彼女は自分が一卵性の双子だったことを知る。
 もう一人の双子の真奈は産まれてすぐに亡くなっており、悠奈は夢の中の彼女が真奈だと悟る。
 そして、真奈は、悠奈の恋人、佐藤遼一を奪うため、悠奈の肉体を奪おうとする…」

・「炎に消えても」
「1982年初夏。
 女子大生の長谷川美香はコンパの帰り道、林の中の道を歩いていて、殺人現場に遭遇する。
 被害者は23歳のOLで全身をめった刺しにされていた。
 翌日、彼女は恋人の城崎の家を訪ねる。
 城崎とは、彼を痴漢と間違えたことが馴れ初めで、お詫びに夕食を作ったりしているうちに付き合い始めた。
 彼は中学生の頃、両親を亡くし、以来、弟の塁を一人で育てていて、家から離れないように放送大学で勉強していた。
 塁は身体が弱いために学校に行けず、兄にべったりで、美香は過保護すぎると考える。
 ある日、刑事からこの家は七年前に城崎会社の社長夫人が夫と無理心中をした事件があったことを聞かされる。
 そして、両親の死体を発見したのが、当時六歳の塁であった。
 城崎が塁に過保護な理由とは…?」

・「想い出に眠れ」
「遠野ゆかり(17歳)の恋人は佐川尚之。
 彼女は一年の時に隣のクラスだった彼に憧れ続け、二年に同じクラスかつ同じ図書委員になり、先週ようやく、彼に告白する。
 恋人同士になり、うきうきだったが、以後、彼女の身の回りではおかしなことが続発。
 どうやら、これは巻き毛の少女の幽霊の仕業らしい。
 佐川尚之には中学時代に津村美和子という恋人がいたらしいのだが…」

・「GHOST HUNTERS」
「新宿高層ビル街にある『ゴースト・ハンターズ事務所』。
 麻杉と真央は責任者の婆に呼び出される。
 依頼はR市の清南女学院女子寮に住む河村ゆり子という生徒からで、どうやらここに化け物が現れたらしい。
 二人が女子寮に行くと、中には食いちぎられた死体まみれ。
 妖怪がいるにはいたが、どれも下っ端であった。
 奥に親玉らしき妖怪を見つけ、二人はそいつを撃破。
 更に、用具入れの中に隠れていた河村ゆり子も救出する。
 これで一件落着かと思ったのだが…」

 「プリンセスGOLD」に掲載された作品をまとめております。
 どの作品もありきたりと言えばありきたりですが、程よくまとまっていて、読ませます。
 個人的なベストは「想い出に眠れ」。う〜ん、少女漫画してます…。
 ちなみに、「GHOST HUNTERS」に出てくるモンスターは、作者が描けないため、友人のKさんが描いたそ〜な。

2023年5月16・17日 ページ作成・執筆

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