こさかべ陽子「雷鳴の消えた夜」(1989年6月20日初版発行)

「田舎駅に降り立った、藤谷夕華と、その友人達。
 夕華は、著名な芸術家、藤谷誠の従妹で、彼ら、美術クラブの面々は、その館に滞在する予定であった。
 藤谷誠の兄、卓の車で、彼らは館へと向かう。
 彼らを出迎えたのは、誠の姉、美也子で、彼女は顔の左半分に火傷の痕がある、陰のある女性であった。
 居間には、藤谷誠が制作中の、雷を持ったゼウス(?)の彫刻があり、夕華達は息を飲む。
 しかし、肝心の藤谷誠は一年前から行方不明と知らされる。
 美也子は旅にでも出てるのだろうと話し、彼のアトリエを見せることを断る。
 また、卓の持ち掛けた写真集の話も断固として拒否。
 夕華は、優しかった、誠の面影を懐かしみながら、館の暗い雰囲気を不審に思う。
 彼女は過去の記憶を辿りながら、藤谷誠のアトリエに行こうとするのだが…」

2019年5月19日 ページ作成・執筆

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