田中雅子「呪いの鎮魂歌」(1987年6月25日初版発行)

「14歳の皇波留美(すめらぎ・はるみ)は、父親のアメリカ出張中、長野にある、全寮制の聖テレジア学院に通うこととなる。
 学院長の朝の説教に飽き飽きして、イチョウの木の上でくつろいでいると、幹に十字架が打ち付けてある事に気付く。
 その十字架を外すが、手を滑らし、ちょうど真下を歩いていた青年の頭の上に落ちる。
 青年は中臣貢という名で、学院長の甥、かつ、教育実習生であった。
 彼は波留美のクラスを受け持つようになるが、最初の授業の時、友人の西音寺萌が窓の外に、ボロボロの制服を着た女子生徒の姿を見る。
 貢が学院長にその話を話すと、彼女は顔色を変え、明らかに様子がおかしい。
 彼女は何かを知っている様子であったが、自室から転落死する。
 その後、萌は、礼拝堂に現れた幽霊を除霊しようとするも、歯が立たず、幽霊に自殺させられそうになった挙句、意識不明になる。
 また、波留美も幽霊と何度も遭遇するようになる。
 女子生徒の幽霊は弥生という少女らしいが、彼女の情報は学院長によって全て抹消されていた。
 貢は弥生が、太平洋戦争中に学院長と同級生だったことを突き止め、弥生について調べるのだが…。
 森下弥生の隠された過去とは…?」

 幽霊の描写に力が入っていて、好感が持てます。
 梯子を揺らすシーンなんか、雰囲気出ていて、いいなあ。

2020年11月15日 ページ作成・執筆

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