青江雪生「地獄に続く部屋」(1988年10月25日初版発行)
「町はずれの丘に新しく建てられた中学校。
神崎由紀は幼なじみ達とその中学校に通うことになる。
昼休み、トイレに立った由紀は金髪の少年と出会う。
彼に付いて、部屋に入ると、そこは海外の調度だらけの豪華な部屋であった。
以来、学校ではおかしなことが連続して起こる。
理科教師の謎の転落死。
学校を建設した風間建設の娘、冴子の失踪。
そして、他の生徒も、学校の中に、あるはずのない部屋を見る。
由紀は、ボーイフレンドの周一と共に、異次元の部屋について調べ始めるが、どうも学校の過去と関係があるらしい。
金髪の少年と、異次元の部屋の正体とは…?
そして、町が彼の憎悪に包まれる時…」
秋田書店に描き下ろされた、青江雪生先生の三作(他にはないはず…)はどれもダイナミックな作風ですが、この作品が最もスペクタクルです。
クライマックスはまるごと町一つがパニックになっており、秋田書店のホラーコミックスで、ここまでトバした作品はないように思います。(まだまだ検証中でありますが…)
また、キャラは、初期の少女漫画風の絵柄から、描線のすっきりした絵柄になっており、描き込みも増えたこともあって、雰囲気も充分。(個人的には、のなかみのる先生の絵柄に近いと思います。一部、呪みちる先生っぽいコマもあって、嬉しい。)
相変わらず、残酷描写・グロ描写もてんこ盛りで、サービス精神旺盛なところがまたステキ。(当時のホラー映画の影響があるように感じました。)
青江雪生先生については、ホラーコミックスの作品しか知りませんが、どれも手堅く仕上げており、安易さを感じさせないところは非常にポイント高いと思います。
2018年6月25日 ページ作成・執筆