千之ナイフ「死太郎くん」(1997年9月20日初版発行)

 収録作品

・「妖怪病院」(「サスペリア '96年11月号」)
「ちづるは都市伝説に関心を持つ少女。
 ある日、クラスメートにからかわれ、彼女は口裂け女を見たと嘘をついてしまう。
 だったら、そこに案内して、という話になり、夜更け、クラスメートの沢木と真己に先輩を加えた三人と共に、その場所に向かう。
 その途中の田舎道で、先輩の車は、ランドセルをしょった少年をはねてしまう。
 ちづるの心配をよそに、残りの三人がその場から立ち去ろうとすると、少年が沢木に跳びつき、その腕に噛みつく。
 少年を振り払い、車で彼らは逃げ出すが、噛みつかれたところが人面疽のように腫れあがる。
 沢木の苦しみようがひどく、彼らは廃墟同然の病院へと立ち寄る。
 そこでは人間を妖怪に変える手術が行われていた…」

・「深夜12時学校へ」(「サスペリア '97年2月号」)
「高校二年生、雨乃竜一の自殺。
 だが、血だまりと遺書はあっても、肝心の死体がどこにもない。
 狂言自殺だと思われていたところ、未田、古山、沖野、木橋、穴森、日上の六人の机に奇妙な手紙が入れられる。
 この六人は、雨乃竜一をいじめたいたと名指しされたクラスメートで、手紙には、今夜12時に学校へ来ないと呪われると記されていた。
 雨乃竜一を捕まえるために、六人は深夜の学校に集まる。
 そこで彼らは「学園七恐怖」を体感することとなる…」

・「黄泉ヶ島」(「サスペリア '97年7月号」)
「夏、唯は、友人の加奈子、郁美と共に、ある海を訪れる。
 彼女がここに来た目的は、一年前、この海にサーフィンに来て、消息を絶った兄の行方を捜すためであった。
 三人が浜で遊んでいると、二人の青年にモーターボートに誘われる。
 モーターボートは黄泉ヶ島という島に走っていき、島を目前に青年達はボートから海へ身を投げる。
 意識を失った唯達が目を覚ますと、彼女達は浜の岩床に打ち上げられ、加奈子の姿がなかった。
 二人は加奈子を捜すが、住民達は戸の隙間から彼女達の様子を窺うばかりで、誰一人関わろうとはしない。
 そんな中、唯は兄の姿を一瞬、目をする。
 そして、地面には、島から早く出ていくよう警告が記されていた。
 そのうちに日が落ちると、島の住民達は浜の岩床へと降りていく。
 そこでは、加奈子が囚われ、奇妙な儀式を受けていた。
 唯と郁美は外部へ助けを求めようとするのだが…。
 黄泉ヶ島の秘密とは…?」

・「よみがえる友情」(「サスペリア '97年3月号」)
「橋川香は、痴話喧嘩のもつれから、親友の多宮麻弓を陸橋の階段から突き落として、死なせてしまう。
 とりあえず、死体を公園の茂みの陰に隠した時、彼女は奇妙な光景を目にする。
 面妖な小学生が犬の死体に指先から滴る血を飲ませると、犬の死体が生き返ったのであった。
 香は、心配するふりをして、その小学生に近づき、血をハンカチににじませる。
 そして、そのハンカチを麻弓の死体の口に押し込むが、死体はピクリとも動かない。
 その晩、恋人の友野から電話がかかってくる。
 彼に麻弓から電話がかかってきて、大事な話をするために、公園に三人で会いたいと言うのだ。
 急いで公園に向かった香は、蘇生した麻弓と再会するのだが…」
 「ペット・セメタリー」っぽいかな。

・「騒がしい人形たち」(「サスペリア '97年6月号」)
「四谷理沙は、アンティーク・ドールだけが心の友達。
 下校途中、彼女は、シタローと名乗る小学生が持つ人形に興味を持つ。
 その人形は形は変だが、髪といい皮膚といい、本物そっくりであった。
 その人形は彼の知り合いの人形師に作ってもらったらしく、シタローは理沙の分も頼んでおいてあげると言う。
 以来、夜な夜な、彼は彼女のもとに人形を届けに来るが、その人形は彼女と関わりを持った人達に非常に似通っていた…」
 「ドールズ」の影響あり、でしょうか?
 あと、日野日出志先生(実は○○先生の代作)「オカルト探偵団 死人形の墓場」とも類似があるかもしれません。

・「人間城の悪魔」(「サスペリア '95年12月号」)
「戦時中病院だったという学園では毎年、数人の生徒が失踪する。
 警察は家出と片付けていたが、生徒達の間には、学校に殺人鬼が隠れ住んでいるという噂が囁かれていた。
 そして、最も怪しい場所は、北階段横の「開かずの扉」。
 転校生の由香は、悪夢の原因を突き止めるため、「開かずの扉」を探る。
 その際、校医の拝島がそこを出入りしていることを知る。
 保健室から鍵を手に入れ、昼休み、彼女は「開かずの扉」の中に入る。
 そこで目にする、戦時中の忌々しき実験の成果とは…?」
 モンスターはやっぱりカプコンの「バイオ・ハザード」の影響を受けているんでしょうか?

2019年3月6日 ページ作成・執筆

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