高階良子「風と海とモアイ」(1994年5月25日初版発行)

 収録作品

・「風と海とモアイ」(1981年「別冊ビバプリンセス」春号)
「西村真奈(16歳ぐらい)はポリネシア人の孤児で、タヒチに駐在していた日本人の両親に引き取られ、日本で育つ。
 彼女には繰り返し見る悪夢があった。
 それは、黒髪の男性が、彼女に、妙な文字の刻まれた腕輪を渡そうとした時、背後から刺され、息絶えるという内容であった。
 この夢の理由を突き止めるため、彼女は、兄の柳(りゅう/職業はフリーライター)に頼んで、春休み、タヒチに連れて行ってもらう。
 二人はタヒチの思い出の地を回るものの、夢の場面はどうもここではない。
 ある時、真奈は、イースター島の観光ポスターを目にして、こここそが夢に出てくる風景と気付く。
 また、ホツ・マツア王(古代、イースター島の最初の王)の子孫を名乗る老人から、真奈は、夢で見たのと同じ腕輪を見せられる。
 老人によると、真奈は偉大なるアクアク(死んでも生き残る霊魂)のいけにえとなるべき娘らしく、はめられた腕輪を外すことができない。
 早速、真奈と柳はイースター島へ飛び、島を観てまわる。
 多くのモアイのある中で、アフ・アキビの七体のモアイ(これだけ海を向いているらしい)がある場所こそが、真奈の夢の舞台であった。
 そして、四体目のモアイ像の陰に、夢で殺された男性の幻を真奈は視る。
 彼と真奈の関係とは…?
 彼は、ムー大陸の生き残りで、ホツ・マツア王以前にイースター島に住んでいたモアイ(巨人族)らしいのだが…」

・「幻のビルカバンバ」(1980年「プリンセス増刊ボニータ」夏の増刊号)
「ビルカバンバ峡谷にあると伝えられる、インカ帝国の秘密都市(ピトコス)。
 そこには、インカ皇帝の莫大な黄金が隠されていると言われ、多くの人々が捜したが、いまだ発見には至っていなかった。
 大橋教授は、姪の和子と共に、ピトコスの航空調査に赴く。
 霧が深く、調査は無理と、帰ろうとしたところ、飛行機の操縦が急にきかなくなり、ビルカバンバのジャングルに不時着。
 乗員は生命に別条はないものの、大橋教授は足にケガをする。
 一方、和子は彼女を呼ぶ声を聞き、声のする方向へと進むが、その先に穴か崖があり、転落。
 大橋教授の雇ったガイド、コンドルは、大橋教授とパイロットにヘリコプターの待ち合わせ場所に行くよう指示し、一人で和子を捜しに行く。
 彼はインカの末裔で、ピトコスへの秘密の通路を熟知していた。
 ピトコスの中で気が付いた彼女は、黄金の遺跡を見ているうちに、彼女の過去を思い出す。
 彼女は前世において、インカ王国に滅ぼされたチンチャ王国の王女、ワコであった。
 そして、コンドルは、インカ王国の皇帝の弟、トパック・アマル―で、彼女に想いを寄せていた。
 二人が前世の過ごした、インカ帝国の最後の日々とは…?」

・「竜神氏の遺産」(1980年「プリンセス」1月号)
「冴子は、友人達と共に、信州S湖畔の村を訪れる。
 そこは観光や娯楽施設は皆無だが、自然でいっぱい残されていた。
 何でも、ここらあたりの土地は竜神氏という人物のもので、決して手放そうとはしないのだという。
 また、竜神氏には、祖先の一人が湖を愛するあまり、竜となり、この地の守護神になったという言い伝えもあった。
 旅館に泊まった夜、彼女のもとに、昼間、見かけた青年が現れる。
 彼は、彼女を闇の中に開いた通路に案内すると、その先は、竜神氏の邸の一室に通じていた。
 そこでは、集まった親戚一同の横に、余命幾ばくもない竜神氏が臥せっていた。
 竜神氏は冴子を自分の孫と呼び、彼女に後継者たる「竜の翡翠」のペンダントを授ける。
 朝、冴子が目覚めると、そこは旅館であったが、首にはペンダントがかかっていた。
 「竜の翡翠」に宿る力とは…?
 そして、冴子に陰のように付き添う青年の正体とは…?」

・「竜の翡翠」(1984年「別冊ビバプリンセス」冬号)
「冴子が竜神氏の遺産を受け継いで二年。
 彼女は「竜の翡翠」のペンダントを町で落としたことをきっかけに、昇という青年が山に勝手に住み着いていることを知る。
 彼は、生まれた時から顔中に金色の毛が生えており、袋のような仮面で顔を隠して、生活していた。
 冴子は、ペンダントを返してもらいに彼の家を訪ねると、彼は、ペンダントを十日間貸してほしいと懇願する。
 彼は、彫物で生計を立てており、ペンダントの彫刻の美しさに心奪われていた。
 彼と一緒に過ごすうちに、冴子は、彼の、自然を愛する、純粋な心に気付く。
 醜い容姿に生まれた彼の前世とは…?」

・「良子のおしゃべりタ・イ・ム」(描き下ろし)
 高階良子先生がよく見るという「トイレの夢」についてのコミック・エッセイ。
 夢の話ってビミョ〜なものが多いのですが、これはかなり面白いです。

2021年3月22・23日 ページ作成・執筆
2022年1月26日 加筆訂正

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