古賀新一「妖虫」
(1975年9月15日初版・1982年7月20日13刷発行)
「秀夫は、母親の死後、仕事もせず、家に引きこもっているか、虫を収集して過ごす。
親戚には愛想を尽かされ、隣近所からはバカにされ、彼はますます孤立を深める。
彼は昆虫の中でも、最初は醜い姿でも美しい姿へ完全変態する蝶が好きで、蝶に生まれたら…と夢想する。
ある日、彼は、子供の悪戯で肥溜に落ちるが、家で、左足の傷から綿が出ているのに気づく。
更に、彼の顔は老化し、口から大量の綿を吐き、その綿に全身を包まれる。
さなぎの状態から脱皮した彼は、人間とは思えぬ、異様な姿に変化していた。
彼の行く先々で、少年の老衰死やミイラの脱皮といった怪事件が起きる。
秀夫のかかった奇病は、人類の進化の一過程なのであろうか…?」
(「月刊少年チャンピオン」掲載)
古賀新一先生の作品の中で最もトラウマ度の高い作品ではないでしょうか。
ガンガン、ショック描写を繰り出してきて、かなりノッテおりますが、肝心のストーリーが分裂的というか、大風呂敷を広げ過ぎというか、ぶっちゃけ、意味不明です。
ラストは、作品をまとめる気力がなくなったのか、先生のお好きな「生血を吸う幼女」の話になって、ラスト、何か意味深っぽい言葉でお茶を濁して、チョン…。
ともあれ、古賀新一先生らしい作品だとは思います。
・備考
カバーに破れあり。
2020年6月21日 ページ作成・執筆