楳図かずお「ふりそで小町捕物控」
(1985年8月30日初版・1986年6月30日第2刷発行)
・「ふりそで小町捕物控」(1967年「少女フレンド」掲載)
ひとみは、重傷を負った父親の代わりに、岡っ引きの仕事を引き受けることになる。
彼女は、子分のたこ八と共に、江戸を震撼させる怪事件に挑む!
「第一話」
美しいと有名な娘達のもとに、沢山の小判が何者かによって様々な方法で届けられる。
その後、娘達は誘拐され、皆、死体となって発見される。
死体の頭には傷の縫痕があり、他に外傷はない。
また、犯人を追って、傷を負わされた父親によると、「てんぐ」の仕業らしい。
ひとみは、死体に貝が付いていたことと、犯人の逃げた方向から、犯人の居場所は東にある、海の近くのあばら家だと推理。
そして、不幸な境遇のお京を救うために、ひとみは、彼女の身代わりとなり、一か八かの賭けに打って出る。
娘達をさらう犯人の正体と、その目的とは…?
「第二話」
錦紗(きんしゃ)の着物のまつわる怪事件。
ある姉妹が、その着物を着たまま、次々と死んでいく。
姉妹は、継母を財産目当てに毒殺しており、その呪いと噂されていた。
皆が呪いに慄く中、ひとみはある少女に目を付ける…。
「第三話」
松坂屋の娘、多恵は、人気絶頂の歌舞伎役者、中村花之丞と恋仲になる。
多恵には親の決めた許嫁の多吉という男がいたが、二人は人目を避けて、会い続ける。
ある日、彼女が花之丞を待っていると、奇怪な容貌の男が現れ、彼女は卒倒。
翌日、花之丞とのことが親にばれ、彼女は家に監禁される。
だが、奇怪な男が彼女の身辺に出没し、彼女を失明させようともくろむ。
そこで、ひとみは一計を案じるのだが…。
・「ねむり少女」(1965年「東邦出版」)
「松本あぐりは、ある日突然、「ねむり病」になる。
どんな状況であろうと関係なく、彼女はその場で眠りに落ちる。
夢の中で、彼女は人形となり、死んだはずの母親と会う。
夢の中の母親は、煙草や酒に耽り、あぐりはやめてほしいと思うが、人形故、何もできない。
担任の花岡先生や、青山先生は、あぐりの話を聞くうちに、彼女が母親に会いたいと願った時に眠ってしまうことに気付く。
だが、あぐりの母親は、祖母と対立し、家を出た後、伊勢湾台風で亡くなっており、あぐりは母親の顔を知らないはずだった。
それでも、あぐりは夢の中の女性を自分の母親と確信する。
ある時、夢の中で、母親に危機が訪れるのだが…」
2020年2月22・23日 ページ作成・執筆