藤子不二雄「黒ベエA」(1970年11月10日初版・1974年3月15日2版発行)

・「梶一郎の受難」(「少年キング」1969年52号〜1970年3号掲載)
「平凡なサラリーマン、梶一郎の災難は、満員電車の中で黒ベエの靴を踏んだことに端を発する。
 会社にかかってきた、警察からの電話に加えて、彼宛ての無言電話。
 そして、ハゲタカの顔をした、謎の面会人。
 梶一郎は、機動隊にこっそり石を投げつけたことが原因ではないかと考え、気が気でない。
 社長を激怒させ、彼は自宅に謹慎を命じられるが、彼の災難はまだ、これからであった…」

・「機械マニア」
「雪山で遭難寸前の黒ベエとハゲベエ。
 動物を捕まえようと罠をしかけるが、逆に罠にかかったのは黒ベエ達で、山中の「機械城」に連れて行かれる。
 そこは奇妙な機械だらけで、機械城主人とその息子、械一が住んでいた。
 黒ベエ達は、様々な機械の実験台にされ、散々な目にあう。
 更に、黒ベエは、野球拳・マシーンに頭脳を入れられそうになるのだが…」

・「黒ベエ 白ベエになる」
「黒ベエの前に現れた、可愛い娘さん。
 彼女は、黒ベエが意地悪をする度に、それを咎める。
 良心の呵責を覚え始めた黒ベエに、彼女は、黒づくめの服装が元凶だと、白い服を一セット与える。
 心機一転、白ベエになった彼は、善行に励もうとするのだが…」

・「車こそわが命」(「少年キング」1969年42〜46号掲載)
「巨漢の妻と我儘な息子からのプレッシャーに耐えかね、細井は月賦で中古車を買う。
 しかし、安物だと家族はいい顔をせず、遂に、細井は逆上して、一人暴走。
 これがストレス解消となり、以来、細井は車に夢中になる。
 車内で過ごす時間は彼にとって平和な時間で、身も心もリラックス。
 更に、彼は車でひったくりの逮捕に協力したことから、家族や会社から賞賛を浴びる。
 だが、好事魔多し…」

 「機械マニア」は傑作です!!
 キテレツな機械の執拗な描写も凄いですが、奇怪な擬音語に詩的センスを感じます。

2021年5月11日 ページ作成・執筆

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