成毛厚子「水喪祭」(1989年2月20日初版発行)

「18歳の浪人生、早川美晴は、親戚の高薙(たかなぎ)今日子が結婚するのを機に、プールの会員権を譲ってもらう。
 会員制のプールだけあって、施設は立派であったが、会員はおばさんばかり。
 そのおばさん達に大人気なのが、施設常駐のイケメン医師、東樹先生だった。
 美晴は健康のため、プールに通うが、その度に、胎児の幻影を見る。
 また、結婚を控えた今日子の様子がおかしくなり、行動が徐々に幼児へと退行。
 ある時、今日子は美晴に「水の底に沈んでいるような夢」を日に何度も見ると話し、助けを求める。
 だが、突如、頭痛を訴えた今日子の後頭部から何かの生き物が現れ、美晴は部屋をとび出る。
 美晴が、今日子の婚約者の一矢と共に部屋に戻ると、そこには脱皮したような皮膚と髪の毛のみ残されていた。
 以来、今日子は姿を消してしまう。
 プール施設で囁かれる「若返りの手術」の噂を聞いた美晴は、噂が今日子の話と合致することに気付く。
 ことの真相を突き止めるため、美晴は一矢と共に、プール施設を調べるのだが…」
(「月刊ハロウィン」86年11月号〜87年1月号)

 成毛厚子先生の(恐らく)唯一の長編怪奇マンガであります。
 時代から判断しても、かなりの良作とは思うのですが、少し釈然としないところがちらほら。
 何故胎児が頭蓋骨を突き破って出てくるのかとか、脱皮した後の今日子の行動とか…。
 怪奇マンガの長編は難しいとつくづく思います。

2017年1月7日 ページ作成・執筆

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