JET「逢魔が辻」(1993年10月20日第1刷発行)
収録作品
・「逢魔が辻」(1993年「NOEL SUMMER号」)
「夜の都会。
道と道が集まる所には、人と人でないものが交わる辻がある。
闇の辻に住まう、一人の人形師と人形の黒姫太夫。
太夫は地縛霊となった娘の首を毬にしようとするが、久志という青年に邪魔される。
彼は娘の霊を、彼女を殺し、死姦した愚連隊の前に連れて行き、謝罪を求めるのだが…」
・「間(はざま)」(1992年「眠れぬ夜の奇妙な話」VOL.10)
「朝の電車のラッシュ。
一人の女子高生が、人身事故に巻き込まれ、普段は降りない駅に降りる。
電車にとび込み自殺をしたのは、彼女と同じ高校の女子生徒。
彼女は、自殺した女子生徒の勇気に感心し、臆病で惨めな自分について思う。
運転が再開され、彼女が電車に乗ろうとすると…」
・「MA・NA・MI無頼控@」(1989年「ハロウィン増刊ミステリーハロウィン@」)
「百合ヶ丘女学院が潰れた後、まなみは新しい学校へとやって来る。
校門のところで、先の事件を担当した天野刑事と出会う。
彼の案内で学校に入った途端、校舎の四階から男性が転落するのを目の当たりにする。
死亡したのは、生物の有藤先生。
彼がいたのは生物準備室で、彼以外には誰も出入りしてないと、廊下にいた女生徒二人が証言したため、警察は自殺と判断する。
二人の女生徒は二年の高沢美穂と村田惠利子。
まなみは二人と話す機会を持つが、やはり、有藤先生が自殺とは思えない。
その夜、まなみは何者かに襲われるが…」
・「MA・NA・MI無頼控A」(1989年「ハロウィン増刊ミステリーハロウィンA」)
「新しい学校で、まなみは、杉浦夏樹という友人ができる。
夏樹はマンションで一人暮らしをしていたが、ここのところ、おかしなことが起きるという。
ベランダに煙草の吸殻が落ちていたり、ドアが勝手に開いたり、物の位置が勝手に変わっていたりと、誰かが出入りしているようであった。
まなみは知り合いの天野刑事に調べてもらうが、現在にも過去にも、特におかしな住民はいない模様。
彼女の部屋に出没する、不審な影の正体は…?」
・「とびきりコンバット」(1986年「コンバットA」)
「瀬尾美雪とサリア(♂/米国人とのハーフ)のコンビは目的地の高校を捜して、高知にまでやって来る。
だが、校舎がどこにもなく、謎の女性達に襲われる。
土佐山田哲彰という青年を助け、彼から話を聞くと、学校は地下にあり、上級生の攻撃をかわしながら、入り口を捜さなければならないという。
そこで、彼らは向こうから出てくるよう、あることを実行するのだが…」
・「ロマンティックにゃほどとおい!!」(1985年「キャプテン」5月号/JET先生のデビュー作)
「エレベーター式の花園学園。
一年生になった圭介はいたずら好きの悪ガキ生徒。
彼の家に突然、遠縁の美雪がやって来て、同じクラスに入ることとなる。
美雪はアメリカで暮らしていたが、父親の会社が大変で、圭介の家で面倒を見ることになったのであった。
彼女のお陰で、圭介の生活パターンはめっちゃくちゃ。
だが、彼女が学園の記念式典の代表の一人に選ばれたことを知り、圭介とその仲間達はあるいたずらを企む…」
「逢魔が辻」「間」は怪奇幻想もの、「MA・NA・MI無頼控」は怪奇ミステリー、「とびきりコンバット」「ロマンティックにゃほどとおい!!」はコメディーとバラエティ豊かな短編集です。
ただ、「とびきりコンバット」「ロマンティックにゃほどとおい!!」は全くホラー風味はなく、おちゃらけた雰囲気で、ぶっちゃけ、浮いてます。
2022年12月6日 ページ作成・執筆