曽祢まさこ「扉の向こうには…」(1987年11月30日初版発行)

 収録作品

・「扉の向こうには…」(1983年「週刊セブンティーン40号」掲載)
「人には決して開けてはならない扉があり、人は一生に一度その扉の前に立つものである。
 これはその扉を前にした人々の物語。
 私室に入る時は必ずノックをするという約束をして、美しい娘と結婚した青年の話。
 祖父の所有する古城で、異様な男が監禁されている部屋に呼ばれた少年の話。
 そして、嫉妬に狂い、扉の向こうで妻が浮気をしていると考える男の話。
 扉の向こうには、どういう運命が待ち構えているのだろうか…?」

・「鹿の住む里」(1987年「ハロウィンナイトNo.2」掲載)
「美人だが、他人の気持ちなど全くお構いなしの娘、姿子(すがこ)。
 彼女は、三年ぶりに、女友達二人と奈良を訪れる。
 三人は奈良観光に浮かれ騒ぐが、姿子は鹿が周辺に付きまとっているように感じる。
 その鹿は立派な角を持ち、姿子のいる所に現れては、彼女の様子を窺っているようであった。
 鹿は旅館の窓ガラスの向こう側までも現れるが、女友達はその鹿の姿を全く目にしていない。
 そして、法隆寺を訪れた際、鹿を目にした姿子は鹿から逃げ出すのだが…」

・「ジェニーの微笑」(1981年「なかよし11月号」掲載)
「ジェニーはお人形さんのような、可愛らしい女の子。
 彼女は誰からも愛され、誰も彼女のわがままを断り切れない。
 彼女の誕生日、祖母から彼女そっくりの静養人形を贈られる。
 人形に「リトル・ジェニー」と名付け、彼女は人形を大切にするが、もともと飽きっぽい性格もあり、人形は顧みられなくなる。
 その間も、ジェニーのわがままはひどくなり、その歪んだ性格を隠すため、表面上は愛らしさを増していくのだが…」

・「魔ヶ淵(まがぶち)の公園」(1986年「Me-twin 夏の号」掲載)
「第1話 砂場の怪〜女の子に意地悪をした男の子が一人砂場で遊んでいると…」
「第2話 何を描いているの〜公園で一人で地面に絵を描いている女の子。女の子の描く絵の秘密とは…?」
「第3話 ミッドナイト・パーク〜夜更け、プレイ・ボーイの青年に誘われ、遂に求婚に応じる娘。すると、彼女の前で、怪異が起きる…」

・「幽霊狩り 魔犬シリウス」(1974年)(注1)
「ある日、ダニエルは、犬の鳴き声に呼ばれ、シリウスという子犬と出会う。
 シリウスは、誘拐されて行方不明となっている、船舶王の故・コールリッジ氏の娘、ニーナの飼い犬であった。
 ダニエルは、近くの山小屋に、ニーナの射殺体と、何物かに喉を喰いちぎられた誘拐犯の死体があることを霊視する。
 ダニエルは全てを察しながらも、ダニエルにとってシリウスは初めての友人であった。
 彼はシリウスがニーナのことを忘れてくれるよう祈るが、シリウスの復讐を止めることができない。
 主人を殺され、憎悪の塊となったシリウスは誘拐犯の一味を次々と襲って、殺害。
 だが、傷つき、歯止めの効かなくなったシリウスは、リバプールを混乱に陥れることとなる…」

2017年11月3日 ページ作成・執筆

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