楳図かずお「紅グモ」(1968年8月27日初版・1978年6月20日12刷発行)
「蜘蛛の研究者を父に持つ姉妹、北村たか子と美也子。
姉妹は新しい母親を迎えるが、彼女は恐ろしい計画を胸に秘めていた。
それは、姉妹を抹殺し、自分の子供に全財産を継がせるというものであった。
母親は、父親の研究室にある紅グモに興味を示す。
紅グモとは、目や口から人体に寄生する、恐ろしい蜘蛛であった。
手始めに、母親は紅グモを姉のたか子に寄生させると、たか子は痩せ衰え、死んでしまう。
だが、たか子は埋葬後に蘇生。
ようやく地中から脱出した時には、老婆のような容貌に変わっていた。
たか子は、お手伝いとして北村家に入り込み、母親から美也子を救おうと努める。
母親は美也子を紅グモ・ノイローゼにして、廃人にしようと目論んでいた。
間一髪のところで、蜘蛛女と化したたか子が現れ、母親に復讐を果たす。
だが、たか子の身も心も喰いつくした紅グモは、次の獲物を探し求める…」
1965年頃に雑誌で掲載された「紅ぐも少女」の単行本化したものです。
半世紀前の怪奇マンガと侮るなかれ、話は二転三転し、かなり面白いです。
特に、後半、紅グモに寄生された女生徒に学校で襲われる描写は、なかなかにスリリング。(注1)
「へび少女」の陰に隠れておりますが、名作でありましょう。(まあ、楳図かずお先生の作品のほとんどは「歴史的名作」なのでありますが。)
ハロウィン少女コミック館にて再録されております。
・注1
蜘蛛のモンスターで私が一番怖いと思うのは、スティーブン・キングのB級ホラー小説の大傑作「霧」(面白いよ!!読んで!!)に出てくるやつです。
こやつは大きな犬ほどもある蜘蛛で、酸性の糸を吐きながら、襲って来るのは、おぞましい限り。
この小説の記憶があるので、「紅グモ」で人が糸でぐるぐる巻きにされている描写がちと苦手だったりします。
2017年2月8日 ページ作成・執筆