御茶漬海苔「惨劇館A」(1989年4月20日初版・1991年2月25日8版発行)
収録作品
・「惨劇館」(「月刊ハロウィーン」1987年2号〜6月号)
「第七回 肉玉」
高岡さゆりは、幼い頃に母親を亡くし、父親と二人暮らしであった。
新年早々、彼女は父親に嘘をついて、恋人の秀一と初詣に行く。
だが、二人の姿を物陰で見つめる父親の姿があった。
夕方、さゆりが帰宅すると、父親は親戚宅に挨拶に出かけて、いない。
午後十時を過ぎても帰らず、さゆりが寝ようとした時、父親の書斎の電気が付けっぱなしなことに気付く。
さゆりはそこで父親の日記を目にして、母親のことを知ろうと、17年前の記述を読む。
そこに書かれていたこととは…?
「第八回 約束」
杉原祐三子と太田さやかはレズっぽい関係。
ある時、二人は、どちらか片方が死んだら、もう一人もその後を追うという誓約書を作る。
その一週間後、祐三子が海岸の崖から落ちて、行方不明になる。
死体は見つからないが、生存は絶望的。
悲しみに暮れる、さやかに、横田晴美という女子生徒が誓約書を突き付け、死ぬように迫る。
晴美は祐三子から、さやかが約束を守るのを見届けるよう言われていた。
さやかは死のうとするが、そう簡単に死ねるものではない。
苦しむ彼女の前に、祐三子の亡霊が現れ…。
「第九回 ケビンの惨劇2」
火事で生き残った高田由美は立花家に引き取られ、息子の貴弘と婚約する。
だが、兄を亡くした高柳洋子は、由美に疑いの眼差しを向け、電話で貴弘に警告する。
ある夜、貴弘の両親は就寝中、何者かに惨殺される。
由美のようなか弱い娘にできるような犯罪ではないものの、貴弘の心に洋子の警告が引っかかる。
ある夜、貴弘は洋子と会うのだが…。
「第十回 魔女ミレーヌ」
優子は里志に夢中であったが、彼の心は彼女に向かず、嫉妬に燃える。
ある夜、彼女は、ベッドの中の里志と美佐子を襲い、美佐子を包丁で滅多刺しにする。
だが、急に時間が止まり、優子の前に、魔女が現れる。
魔女は、美佐子を殺しても、里志の心は奪えないと諭し、里志と美佐子の子供となって、復讐するよう優子に勧める。
五年後、優子は、二人の間に裕実として産まれる。
そして、14年後、中学生になった裕実は…。
・「ブラインド」(「月刊ハロウィン」1986年4月号)
「ある巨大団地。
夜、若い女性が何者かに襲われ、顔を滅多刺しにされて殺される。
殺された女性は、麻世の友人であった。
そして、麻世の妹、麻美は、殺人犯が義兄(姉の夫)の浩司だと知る。
彼女は、火傷のショックで歩けなくなっており、双眼鏡で外を覗いていて、偶然殺人を目撃したのであった。
彼女は姉に、浩司が殺人犯だと訴えるのだが…」
・「ビデオテープ」(「月刊ホラーハウス」1986年第2号)
「北野洋子が学校から帰ると、彼女宛てに荷物が届いていた。
差出人の記載はなく、中にはビデオテープが一本入っている。
中の手紙には「このビデオテープには母親の秘密が入っている」と書かれていた。
洋子がビデオテープを再生すると…」
2021年7月9日 ページ作成・執筆