御茶漬海苔「惨劇館B」(1989年4月20日初版・1991年10月15日9版発行)

 収録作品

・「第十一回 パスポート」
「陽一と京子はオーストラリアへ新婚旅行に出発する。
 だが、陽一は京子を愛しておらず、彼の一家が背負った莫大な借金を肩代わりしてもらうための結婚だった。
 そのため、陽一と幸代の仲は引き裂かれてしまう。
 新婚旅行に出かける直前に、幸代は陽一から京子の髪の毛をもらう。
 彼女は髪の毛を人形に入れ、恨みをぶつけるのだが…」

・「第十二回 記憶」
「白川博士は、人間の記憶に関する専門家であった。
 ある日、彼は、自殺しようとしている娘を助け、家に連れて行く。
 どうせ死ぬ身ならと、彼は娘を、二十年かけて開発した「記憶コントローラー」にかける。
 彼女の記憶を摘出すると、浮気した恋人と女性を殺害した過去が明らかとなる。
 不憫に思った博士は、彼女の記憶を消し、博士の娘としての幸せな過去を記憶に埋め込むのだが…」

・「第十三回 魔法の玉」
「中学生の麻弥子は、幼馴染の勇の子を身籠る。
 当然ながら、両親の反対にあうが、勇と麻弥子はどうしても結婚して、自分達の子供が欲しい。
 そこで、二人は「魔神の泉」へ行く。
 この泉の底には、どんな願いでも叶える「魔法の玉」があると言われていた。
 底で、奇怪なモンスターに襲われながらも、勇は「魔法の玉」を入手する。
 これによって、二人は結婚を許されるが、麻弥子には勇が人間でないように見える。
 また、自分のお腹にいるものもバケモノで、堕ろしたいと願うのだが…」

・「第十四回 消えた首(前編)」
「佳代、洋子、真由美の三人は、佳代の部屋でポーカーをしていた。
 突如、洋子の首に傷ができ、傷がみるみる広がると、彼女の首は切断される。
 首はどこかに消え、残るは大量の血と胴体のみ。
 また、真由美も、洋子と同じく、首が切れて、消える。
 取り調べに来た警察官の首も消え、佳代は精密検査を受けることとなる。
 検査の結果、何の異常もないのだが…」

・「第十四回 消えた首(中編)」
「母親は佳代を連れて、病院からマンションの部屋へと戻る。
 佳代は急にえずき出すと、口から消えた首を次々と吐き出す。
 母親は佳代を病気だと言って、安心させるのだが…。
 一方、警察では、佳代を射殺すべく手配を進めていた…」
(「月刊ハロウィン」1987年7月〜11月号掲載)

 「惨劇館」屈指のエピソード「パスポート」が収録されております。
 この凄惨さ、何度読んでも鮮烈で、息を呑みます。

2021年7月10日 ページ作成・執筆

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