御茶漬海苔「惨劇館G」(1991年5月20日初版発行)

・「第三十二回 私の赤ちゃん」(「月刊ハロウィン」1990年1月号)
「桜岡大学に通う、田中と高島信子のカップル。
 だが、冬のある日、信子は一方的に田中に捨てられる。
 彼女のお腹には彼の赤ちゃんがおり、赤ん坊を産めば、彼の心を取り戻せると彼女は考える。
 彼女はマンションにこもり、九カ月後、一人、バスルームで出産。
 その後、田中に電話をするが、彼は別の女と結婚していた。
 田中に結婚を拒否され、彼女は赤ん坊を殺し、それを映像に撮ろうとする…」

・「第三十三回 毒薬」(「月刊ハロウィン」1990年4月号)
「水野絵美は、亡くなった祖母の部屋の片づけをしていて、液体が入った小瓶を見つける。
 小瓶と一緒にしまわれていた日記には、それは毒薬で、祖父の恋敵を毒殺したらしい記述があった。
 彼女は毒薬と日記をこっそり自分のものにする。
 彼女には、気になる青年がいた。
 彼とは毎朝、飼い犬の散歩をしている時にすれ違っていた。
 しかし、強欲な友人、姫岡さゆりに彼を横取りされてしまう。
 更に、さゆりに激しく侮辱され、絵美は毒薬を使う決意をするが…」

・「第三十四回 エレベーター2(夢子特別編)」(「月刊ハロウィン」1990年7月号)
「奥矢夢子探偵事務所に百合という少女がやって来る。
 彼女は、大ヒット・キャットフード、グルメニャオンの会社社長の娘であった。
 先日、彼女と、友人の恵美は、父親が経営するキャットデパートに出かけるが、エレベーターに乗った恵美が行方不明になったと言う。
 夢子と竹中は、デパートのエレベーターを調べるが、特におかしいところはない。
 だが、デパートの近辺では、蒸発事件が多発していた。
 また、夜中に竹中がエレベーターを調べていると、謎の老人に襲われる。
 夢子は、夢でこの事件が単なる誘拐事件でないことを悟り、ある夜、夢子、竹中、百合の三人で再びデパートを訪れる。
 真相を確かめるため、夢子と竹中はエレベーターに乗ってみるのだが…」

・「第三十五回 愛」(「月刊ハロウィン」1990年8月号)
「森有佐(もり・ありさ)は桜岡大学に通うために、一人暮らしを始める。
 彼女に早速、目を付けたのは、女たらしで有名な鬼岡であった。
 だが、有佐は好みでないと、あっさり肘鉄を食らわせる。
 鬼岡は意地になり、彼女にアタック攻勢をしかけるが、ことごとく逆効果となる。
 遂にはストーカーのようになり、鬼岡は逆襲を受けながらも、彼女の部屋に入り込むのだが…」

・「第三十六回 人喰い」(「月刊ハロウィン」1990年9月号)
「優子と父親は、祖母の田舎を訪れる。
 その村には、夜中に人を食べるという「人喰い」の伝説があった。
 「人喰い」は二つの光る玉を持っており、これは食べると非常に甘くおいしいらしい。
 そして、ある時、一人の男が玉を盗み出し、怒った「人喰い」は村人を皆殺しにしたという話であった。
 ある日、優子は、村の少女と知り合う。
 少女は優子を山中の泉に案内する。
 そこには、光る玉が二つあり、少女と優子は一個ずつ持ち帰る。
 その夜、村の一軒が「人喰い」に殺され、村人達は、玉を盗んだ者を捜そうと殺気立つ。
 優子は言い出すことができず、玉をこっそり食べる。
 一方、村の少女はリンチにあい、玉を食べたという嘘のせいで、腹を裂かれてしまう。
 玉の片方が見つからないまま、村は夜を迎える…」

・「密室倶楽部」(「月刊チャキチャキ」1990年5月号)
 東武中学校に通う明智、アリサ、龍の三人。
 彼らは「密室倶楽部」を結成し、放課後、大都会の中に潜む「不思議」を探検する。
 彼らが遭遇する「不思議」とは…?
「第一話 蜘蛛」
 明智とアリサは、無人の古い団地を探検する。(龍は掃除当番。)
 二人はふとしたことでエレベーターに閉じ込められてしまうが、中は蜘蛛の巣でいっぱいであった。
 明智はアリサを肩車して、天井の脱出扉を探させるのだが…。
「第二話 蝶」
 明智達は、廃ビルの地下室に樹木が生え、蝶がたくさん棲息しているのを知る。
 窓から明智とアリサが入ると、中は暑く、まるでジャングルのようであった。
 しかも、下面は底なし沼になっており、犠牲者の白骨がうずもれていた。
 二人は地下室からの脱出を図るが…」

 「私の赤ちゃん」は、切っ先鋭く心に突き刺さる名編です。
 「エレベーター2」は、テッド・V・マイケルズのダメ・ホラー「人肉ミンチ」に影響を受けたのでしょうか?

2021年7月19日 ページ作成・執筆

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