御茶漬海苔「御茶漬海苔の妖怪図鑑B」(1992年10月20日初版発行)
・「第21話 妖怪アンチック堂 妖怪せんぷう機の巻」(「月刊ハロウィン」1992年3月号)
「夏。
マンションのある部屋でクーラーが壊れてしまう。
二人の娘に責められ、父親は電機店に向かうが、本日休業。
困り果てていると、アンチック堂という店で扇風機を見つける。
アンチック堂の主人は「このせんぷう機はかなりつらい目にあって」いると話し、可愛がってくれるのなら千円、乱暴に扱うなら十万円と値段を提示する。
父親はかわいがると約束し、千円でこの扇風機を購入する。
しかし、家に持ち帰るも、娘達はこんななま温かい風では受験勉強はできないと扇風機を足蹴にする。
娘達がカラオケボックスに出かけた後、父親は扇風機をバットで叩き壊し、自分はパチンコに出かける。
しばらくして、娘の一人が忘れ物を取りに戻って来る。
部屋には先程、壊されたはずの扇風機が回っていて…」
・「第22話 妖怪少女モナコ 前編」(「月刊ハロウィン」1992年4月号)
「妖怪少女モナコは人間の学校に行きたいと両親にせがむ。
彼女は小さい頃、人間の少女に助けてもらったことがあり、人間社会に興味を持っていた。
両親は「人間の皮膚そっくりに出来てる服」を彼女に与え、決して妖怪だとばれてはいけないと念を押す。
モナコが入学するのは雷雲中学校。
彼女は隣の席の森かおりとすぐに友達になる。
森かおりは十年前、少年達にいじめられていたモナコをかばってくれた、あの少女であった。
彼女達のクラス担任は「死神博士」の異名を持つ暴力教師で、気弱なかおりはすぐに目を付けられる。
モナコはかおりをかばい、彼女も激しい体罰を受ける。
両親は学校に行くのを止めるが、モナコは、かおりが心配で、翌日も学校へ行く…」
・「第22話 妖怪少女モナコ 後編」(「月刊ハロウィン」1992年5月号)
「暴力教師の横暴に耐えかね、モナコは正体の一部を現し、教師の左腕を切断する。
皆にバケモノ扱いされ、モナコは教室から逃げ出すが、教師は彼女を追い、退治しようとする。
モナコは杭でめった刺しにされ、とどめの一撃が振り下ろされようとしたその時…」
・「第23話 妖怪テレフォン」(「月刊ハロウィン」1992年5月号)
「中村あいは、ストレス解消のため、深夜にいたずら電話をかけまくっていた。
夜中の三時、その彼女に無言電話がかかってくる。
何回切っても、無言電話はかかってきて、女性は遂に電話線を抜く。
それでも、電話は鳴りやまない。
恐る恐る受話器を取ると…」
・「第24話 妖怪虫」(「月刊ハロウィン」1992年6月号)
「ある団地の一室。
魔子が目覚めると、部屋の中が虫だらけ。
この虫は「妖怪虫」で、殺虫剤を噴霧する彼女に「殺さないで」と涙ながらに訴える。
虫嫌いの彼女は容赦なく妖怪虫を新聞紙で叩き潰し、窓の外にいた虫達も殺虫剤で皆殺しにする。
その時、母親が部屋に入って来るが、魔子の頬に異変が…」
・「第25話 妖怪鳥ラッキー」(「月刊ハロウィン」1992年6月号)
「山中中学校の夏子は物凄い強運の持ち主。
ある日、羽子は夏子からその理由を教えてもらう。
夏子の家には、幸運を呼ぶ「妖怪鳥ラッキー」がいた。
五年前、彼女が捕まえてから、ずっとくじや懸賞に当たってばかりなのだという。
羽子はラッキーを見せてもらうが、鳥かごの中で縮こまりながら「助けて」「ママのところに帰して」と延々と繰り返す。
得意顔の夏子を目の前にして、羽子は…」
・「第26話 妖怪ポッポ」
「内田順子は中野くんに恋焦がれていた。
ある夜、彼のことを想いつつ、眠りに就くと、夢の中で「妖怪ポッポ」(壺の形をした妖怪)が現れる。
ポッポは、彼とカップルにする代わりに、順子の飼い猫を食べさせろと要求。
これは夢の中のことで、実際には死なないと言われ、順子は猫をポッポに食べさせる。
目が覚めたら、彼と恋人になってると言うが、彼女が目を覚ますと…」
・「第27話 妖怪ブールの笛 前編」(「月刊ハロウィン」1992年7月号)
「東京中学校。
広田佳賀子はひどいいじめを受けていた。
ある日、彼女はナスのような形の生き物が二匹、犬に追われているのを目にして、その生き物を助ける。
それは妖怪ブールの親子であった。
父ブールは、助けてもらったお礼にと、佳賀子に笛を渡す。
困った時、この笛を吹くと、ブールの守り神が助けてくれると言うのだが…」
・「第27話 妖怪ブールの笛 後編」(「月刊ハロウィン」1992年8月号)
「ブールの守り神は助けてくれることは助けてくれたが、いじめっ子達は肉片と化していた。
佳賀子は家に帰って、引きこもるも、事件を聞きつけたマスコミ連中が彼女の家に押し寄せてくる。
レポーター達に事情を説明しても、全く信用してくれず、犯人扱い。
佳賀子は笛を吹くまいとするのだが…」
殺人扇風機が人を切り刻む「妖怪アンチック堂 妖怪せんぷう機の巻」が、あまりに直球な内容で大好きです。
また、「妖怪テレフォン」は、カルト・ホラー「怪人ドクター・ファイブスの復活」(注1)の影響がもろにあって、嬉しかったです。
ぶんか社・コミックスにてほぼ同内容で再刊されております。(差異は表紙、目次、タイトル表紙の文字の写植ぐらいだと思います。)
・注1
「怪人ドクター・ファイブスの復活」は中学生の時に観て衝撃を受けました。
殺害方法がトリッキー(まわりくどい、とも言う)、か〜つ、陰湿!!
箱の中に胴体を縮めるという殺害方法が非常に痛そうで、いまだに印象に残っております。
ちなみに、一作目の「怪人ドクター・ファイブス」はなかなかビデオが見つからず、大学進学の際に都会に出てから、ようやく観ることができました。
観返したいけど、国内版DVDは出ているのでしょうか?
2023年10月6・7日 ページ作成・執筆