三原千恵利「妖の森」(2017年10月30日第1刷発行)

 収録作品
・「霊付きのホテル」(2001年『ほんとにあった怖い話』7月号掲載)
 作者が、ホテルで体験した心霊現象の数々。

・「心霊訪問」(2002年『ほんとにあった怖い話』1月号掲載)
 作者が、漫画のアシスタント先で体験した心霊現象の数々。

・「絡みつくモノ」(2006年『ほんとにあった怖い話』9月号掲載)
 酒好きな老人の霊に憑りつかれた作者の体験談等。

・「妖の森」(2012年『HONKOWA』9月号掲載)
 マンションのベランダから見える、陰気な森にまつわる怪異譚等。

・「どこかで子供が泣いている」(2015年『HONKOWA』7月号掲載)
 重病で入院した作者が体験した心霊現象の話等。

・「生霊 それとも死霊」(2016年『HONKOWA』9月号掲載)
 友人のカップルが自殺霊に憑りつかれる話と、コマッタちゃんな女友達の生霊に関する話。

・「死霊が視える」(2017年『HONKOWA』5月号掲載)
 あまりに極限な生活が続いたために、人の死を視るようになった作者の体験談。

 今や、ジャンルとして一大勢力を築いた心霊マンガでありますが、私、ちゃんと読んでないので、語る資格はありません。(霊感もないしね。)
 ただ、お気に入りの作家さんはおりまして、三原千恵利先生はその中のお一人であります。
 その理由は、本編あとがきの記述「怖く描こうとするあまり、フェイクな要素を入れたり、怖さを盛ったり、迫力を出そうとして大げさに描いたりしない事」なのです。
 この「ありのまま素直に描く」という態度故、心霊体験をした状況が克明に描かれ、非常に興味深いです。
 また、三原先生が心霊体験について感じたことや考えたことが率直に綴られていて、エッセイ・コミックとしても面白いと思います。
 こう言っては何ですが、ストロング・スタイルな心霊マンガを読むと、心底疲れるような方にお勧めしたい、そんな一冊です。

2018年8月29日 ページ作成・執筆

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