武上純希「呪・アニメ −アニメ・スタジオの怪談−」(2016年12月25日発行)

「村上省三は弱小アニメ・スタジオ『パスカル』の新人編集者。
 『パスカル』は「魔法少女もの」アニメを受注するが、その第一話放送時に奇怪な現象が起きる。
 それは外国人とのハーフの少女達にのみ起こり、アニメの後半、突如、サンドストームが起こり、その中に『黒髪の少女』が見えたという。
 省三は先輩の逸見敏郎とその現象を調べていくうちに、ある作画グループの作画監督、高梨睦月へとつながっていくのだが…。
 このアニメにかけられた「呪い」とは…?」

 アニメ業界を舞台にしたホラー小説です。
 武上純希さんは30年以上に渡り、アニメ業界と関わって来た御人なので、業界についていろいろと勉強になります。(作者の実体験が反映されて、良くも悪くもリアル…。巻末には「アニメ業界用語辞典」付。)
 肝心の内容もベテランらしくツボを押さえた展開で、「第五章 太元帥明王」から一気に話のスケールが大きくなり、圧倒されます。
 そして、イラストは伊藤潤二先生!!
 でも、単行本表紙を除くと、中は三枚だけで、しょぼ〜ん。
 ともあれ、一枚目のイラスト(p19)はダークかつ官能的で、素晴らしい出来です。

・備考
 前表紙からp14まで下部に折れあり。

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