三家本礼「美女アマンダ」(2009年8月1日初版第1刷発行)

 収録作品

・「美女アマンダ」(「ホラーミステリー2009年2月号」初出)
「伊原美貴子(いばら・みきこ)は、人権問題を扱う、ひばり高校社会研究新聞の編集代表。
 彼女は、市役所で目にした高園寺(司さんですか?)という老人に声をかける。
 彼の妻は、心の病で働くことができないのに、障害者給付金がもらえないらしい。
 日曜日、美貴子は、同僚の川島(のりかずさんですか?)と顧問の広永(マキさんですか?)と共に、町はずれにある、高園寺の家を訪れる。
 高園寺の妻は二人以上と面会はできないとのことで、川島と広永は外で待ち、美貴子のみが家に入る。
 そこで、美貴子は、高園寺の妻、アマンダの世にも恐ろしい秘密を目の当たりにすることとなる…」

・「画女」(「ホラーミステリー2008年10月号」初出)
「網野は二次元趣味炸裂のオタクな少年。
 彼のノートには、様々な架空の女性キャラが描き込まれていた。
 そんな彼に、美しいが、見栄っ張りでプライドの高い芹沢が何故か急接近する。
 純情な網野は彼女にドキドキだが、芹沢には腹に一物があった。
 そんな時、「ご主人さま」を助けるべく、立ち上がった者達がいた…」

・「サクリファイス」(「ホラーミステリー2008年12月号」初出)
「マナはあるお邸にメイドとして働くこととなる。
 ここではメイドの評価は点数制で、ミスをするとマイナスされ、零点になるとクビになる。
 ある時、マナは同僚から奇妙な噂を聞かされる。
 毎月、メイドの誰かがクビになっており、その者とは以来連絡が取れないらしい。
 その噂を聞いた後日、マナは大失敗をしてしまう。
 首になったマナは、女中頭のアリサに地下事務室へ呼び出されるが…」

・「地獄のてるてる坊主」(「ホラーミステリー2009年4月号」初出)
「友達になれば、てるてる坊主をくれると言われる「アメミヤさん」。
 「アメミヤさん」のてるてる坊主は効果は確実であった。
 小学生の佐々木のりこと友人の由紀は、違う理由ではあったが、運動会が中止になるよう願う。
 そこで、二人は「アメミヤさん」と友達になり、てるてる坊主をもらう。
 だが、そのてるてる坊主を捨ててしまうと…」

・「給食の飯田さん」(「ホラーミステリー2009年6月号」初出)
「給食の飯田さんは子供達に美味しい給食を食べさせようと日々奮闘する。
 だけど、給食費の未納が多く、乏しい予算ではもはや限界。
 そこで、クラスの悪ガキの親に直談判に行くが、相手にされないどころか、散々侮辱される。
 飯田さんの殺意が沸点に達した時…」

・「おまけショートよみきり 刺青消しゴム」
「もしも、刺青を消せる消しゴムがあったら…という話」

 「読み出したら、ページをくる手が止まらない」という漫画家さんがいます。
 私にとっては、三家本礼先生がそういう漫画家さんのお一人でして、どこもこしこも「ツボ」にはまりまくりで、たまらねっす。
 一般的には、「ゾンビ屋れい子」等、「バトルもの」に軸足を置いた怪奇マンガで有名ですが、これは短編集です。
 長編と較べると、若干、物足りない印象は否めません。
 だからと言って、つまらないことは全くなく、ネアカな(?)エロ・グロ描写にフリークス趣味、趣味の入りまくった女性キャラ等、お腹いっぱい見せてくれます。
 個人的に好きな作品は、奇想の光る「画女」と、モンスター・ペアレンツにどう対処するか語り尽くした「給食の飯田さん」。
 「給食の飯田さん」はみんな大好きな傑作ですので、未読の方は是非読んでみてください。(ただし、金はあるのに、給食費は惜しくて払わない人とそのお子さん以外。)
 そして、給食費はちゃんと払いましょう。

2018年2月15日 ページ作成・執筆

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