御茶漬海苔「暗黒辞典@」(1995年4月1日初版第1刷発行)
「暗黒辞典」…それは「人間の恐怖を集めた辞典」。
これを読む者は皆、恐怖の世界に誘い込まれる…。
・「第1章」(1993年「ホラーM」Vol.1)
「トイレ」
暗黒中学校。
学校のトイレに幽霊が出ると噂される。
夜中の三時にトイレのドアをノックすると、ノックが返ってくるという。
そして、その際には「どうぞごゆっくり」と言わないと、殺されてしまうらしい。
真美と優は、トイレの幽霊を写真に撮ろうと、夜中の学校を訪れる。
試してみると、ある個室トイレで本当にノックが返ってくる。
真美は「どうぞごゆっくり」と言う前に、優を肩車して、幽霊の写真を撮るようせかす。
優がシャッターを押した時、優の首が切断。
更に、優の身体はトイレの個室に引き込まれ、バラバラにされる。
真美も引きずり込まれそうになるものの、どうにか家へと逃げ帰るのだが…。
「蜂」
百合子は蜂が大嫌いな少女。
家を何度も害虫駆除するが、彼女の部屋にはいつの間にか蜂が出現していた。
ある時、彼女は蜂を吐き出し、病院で精密検査を受けるのだが…。
・「第2章」(1993年「ホラーM」Vol.2)
「扉」
絵本クラブの部長、栗子は、部員の柳田に惚れていた。
しかし、美人の夏海華子が彼に手を出し、柳田はクラブに顔を出さなくなる。
ある夜、栗子は華子を廃病院へと連れて行き、手術室に監禁する。
こうして柳田はクラブに戻って来るが、栗子に華子の幽霊がつきまとうようになる。
ある夜、栗子は、廃病院に様子を見に行くのだが…。
「魔術」
山中中学校。
手品クラブの部長は、先輩の天才魔術師が作ったと言われる「人間解体」の魔術書と、その道具の鍵を見つける。
これは15年前に人が死んだために禁止されていたが、彼は文化祭で披露することに決める。
文化祭当日、彼は、女子部員を人型に入れ、腕や足を切り落としていくのだが…。
・「第3章」(1993年「ホラーM」Vol.3)
「人形」
アンティーク屋で、リカは、メアリーという西洋人形に一目惚れする。
店主の老婆はそれは売り物ではないが、この世で一番愛してくれるのならと譲ってくれる。
だが、妹のかおるはこの人形に嫌悪感を抱き、散々足で踏みつける。
その夜、家は姉妹だけとなる。
妹は人形を「悪魔の人形」だと信じ、殺そうとするのだが…。
・「第4章」(1994年「ホラーM」Vol.4)
「沼」
春休み。
七海と夕貴は、裏山で見つけた沼で遊ぶ。
怖いもの知らずの七海は、いやがる夕貴と沼に浮かんでいた舟に乗るが、舟に穴が開き、浸水。
七海は、溺れる夕貴を見捨て、家へと帰る。
夕貴の死体は、藻が多くて見つからず、全てを夕貴のせいにしていた七海は内心、安堵する。
しかし、夕貴の幽霊を何度も視るようになり…。
・「第5章」(1994年「ホラーM」Vol.5)
「心霊写真」
私立さつき中学校。美術部。
京子の誕生日の記念として、友人の春子、夏代、秋江は記念写真を撮る。
京子は写真に撮られるのを非常に嫌がり、自分は「霊が集まりやすい」から、どんなことになっても知らない、と暗い顔で呟く。
後日、夏代は現像した写真を持ってくるが、その写真には…。
「妹」
青木万里絵の妹、千和子は、姉に嫉妬して、持ち物をめちゃくちゃ壊す。
怒った万里絵が千和子をとっちめようとしたところ、千和子は階段から転落死してしまう。
このままでは人殺しになると、万里絵は千和子の死体を裏庭の焼却炉に運び、焼く。
その後、母親が帰ってくるが、千和子については何も聞かれない。
どうも、千和子は生きているらしい。
万里絵は焼却炉を見に行くが、死体は確かにある。
しかし、千和子の気配はあり、万里絵は追い詰められていく…。
・「第6章」(1994年「ホラーM」Vol.6)
「昆虫少女」
森園中学校一年の蛍と亜矢は昆虫が大嫌いで、毎日、虫達を殺していた。
ある日、クラスに羽草楓(はぐさ・かえで)という少女が転校してくる。
楓は美人で、蛍と亜矢はトイレに呼び出し、速攻イビる。
その時、亜矢は楓に腕を掴まれるが、その部分が膨れ上がり、中から蛆が湧いて出てくる。
保健室で、亜矢の身体は急速に蛆に蝕まれていき、亜矢は蛍に仇を取ってくれるよう頼む。
その時、蛍の背後に楓がいた…。
2021年7月22日 ページ作成・執筆