御茶漬海苔「暗黒辞典C」(1998年1月1日初版第1刷発行)
「暗黒辞典」…それは「人間の恐怖を集めた辞典」。
これを読む者は皆、恐怖の世界に誘い込まれる…。
・「第19章」(1996年「ホラーM」12月号)
「遊園地」
白鳥中学校。
黒沢絵美はサッカー部の高山純一に想いを寄せ、彼も彼女に好意を抱いていた。
だが、、彼女の友人の青山百合子も高山のことが好きで、嫉妬の炎を燃やす。
クリスマス、高山の友人の南浩司から、絵美と百合子は遊園地に誘われる。
高山も一緒で、仲を深める絶好のチャンス。
しかし、百合子は高山が好きだと絵美に告白し、彼との仲を邪魔しないよう釘を刺す。
そのため、百合子は高山にまとわりついて、絵美の入る隙がない。
そんな時、南浩司が「真実の扉」と書かれたテントに入ろうと提案する。
そこは「占いの館」で、本当の恋人がわかるという。
中に入った四人はそれぞれ個室に案内される。
ヘッドフォンを付けた絵美は次々と質問されるが、質問は恋のライバルに関するものになっていく。
最後に、「いなくなってほしい」人を問われるのだが…。
・「第20章」(1996年「ホラーM」11月号)
「水」
東京団地。
夏美は妹の春江のいたずらに腹を据えかね、団地の屋上の貯水タンクの中に突き落とす。
だが、春江がいないことを母親が騒ぎ立て、夏江はこっそり彼女を助けに行く。
春江は「ウニュ ウニュ」したものに覆われ、引き上げたものの、上半身だけしかなかった。
どうやら「ウニュ ウニュ」したものに食べられてしまったらしい
春江だけでなく、入浴した姉や水道水を飲んだ母親も身体に異変が起き始め…。
・「第21章」(1996年「ホラーM」4月号)
「花粉」
霧島中学校。
村田純子は友人の黒江からある噂を聞く。
噂によると、華山の奥に古い屋敷があり、地下の金庫に財宝があるらしい。
二人は早速、屋敷に向かい、地下室の金庫を開ける。
暗いので覗き込むと、中はプールになっていて、二人とも水浸しになる。
出ようとするものの、黒江は根っこのようなものに襲われ、体中を刺される。
純子は、助けを求める黒江を見捨てて、金庫を閉め、屋敷から立ち去る。
帰宅後、刺された足首が木の根を張ったようになっていた。
純子はカッターで傷口を開き、根っこを取り出すのだが…。
・「第22章」(1997年「ホラーM」4月号)
「桜屋敷」
中学生の田口花美と(姓不明)夢子は夜の七時に「桜屋敷」で花見をしようと約束する。
「桜屋敷」には二十年前から桜が非常に立派な花をつけるようになったが、変な夫婦が住んでいるとか、このあたりで行方不明者が出るとか、良い噂はなかった。
時間に遅れ、花美が急いで行くと、後ろからロープで首を絞められた夢子が屋敷の中に引き込まれるところであった。
屋敷に住む、若い女性の仕業らしい。
花美が屋敷への出入り口を捜すと、地下室の入り口がある。
降りた先の部屋には、巨大な桜の根があり、機械が接続されていた。
若い娘の目的とは…?
そして、20年前にこの屋敷で起こった出来事とは…?
・「第23章」(1996年「ホラーM」5月号)
「文通」
鈴岡桜は夢島純という青年と三年もの間、文通していた。
彼女は彼に恋し、日曜日、海山岬でデートすることとなる。
胸をときめかせて行くものの、純は桜を罵倒して、ラブレターをコピーしてばらまくと脅す。
桜が彼に詰め寄った際、はずみで彼を突き飛ばし、彼は海に転落。
彼女は家に逃げ帰るが、何故か彼から手紙が届いており、彼女を「人殺し」と責める内容であった。
その夜、雷雨の中、彼女の部屋に近づいてくる物音がして…。
・「第24章」(1997年「ホラーM」12月号)
「未来」
赤ん坊は産まれてすぐ頭に「登録センサー」を埋め込まれ、国立センターに登録される。
このセンサーは悪いことをすると、子供に苦痛を与え、「いい子」にする役割を持っていた。
上条理佐は国立中学校で常に成績が一番。
周りからは「天才」と言われるが、本人はその気はなく、心根の優しい少女であった。
彼女は森よし男という少年と知り合い、お互いに心惹かれる。
だが、彼女のもとに「DNAによる国立結婚認定証」が送られてくる。
彼女の結婚相手は、忌み嫌う蛭山黒男であった。
理佐とよし男は逃亡を企てるのだが…。
「水」は御茶漬海苔先生お得意の「イボイボ」「カイカイ」な話で、ダメージ大き目です。
あと、「遊園地」と「文通」はわかりにくい内容のように思います。
2022年4月15日 ページ作成・執筆