長田ノオト「孤島の鬼」(江戸川乱歩・原作/2016年9月20日初版第1刷発行)

 江戸川乱歩の最高傑作長編との名高き「孤島の鬼」(博文館の「朝日」1929年一月創刊号から一年余り連載)のコミカライズです。
 あとがきによると、1998年7月から1999年11月まで「オール怪談」(蒼馬社)にて連載(4号〜12号まで9回)されたものです。
 単行本化の話があったようですが、蒼馬社倒産の煽りをくらってしまい、2016年になって、ようやくぶんか社から出版の運びとなりました。
 なお、原稿に直接加筆修正を多々施したとのことで、オリジナルは雑誌でしか読めません。(レアな雑誌で、集めるのはしんどい…。)
 内容は原作通りで、ツボを押さえたストーリー展開となっております。
 作者の嗜好でしょうか、主人公(美青年)に倒錯した愛情を燃やす青年医師、諸戸道雄の描写に力(リキ)入りまくりなのが流石です。
 ただ、「改造人間」に関する描写は、さほど興味がなかったのか、薄味なのが、寂しい…。

2018年9月13日 ページ作成・執筆

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