山本まゆり「リセットシリーズB サバイバルゲーム」(2001年9月1日初版第1刷発行)

 あなたが人生を後悔した時に現れる堕天使アンリ。
 彼は「人生のセーブ係」で、人生を「リセット」できるチャンスを与えてくれる。
 あなたが選ぶのは「天使の道」?それとも、「悪魔の道」?

・「ダブルリセット」(2000年「月刊ホラーM」7月号)
「14歳の少年が同級生をめった刺しにして殺した事件。
 被害者はどうやら加害者に恐喝されていたらしい。
 被害者の姉、加害者の姉は事件の夜、公園に出かける弟を引き留めていれば…と後悔する。
 そんな二人の前に、アンリが現れる。
 二人は事件の夜に戻り、公園にいる弟を家に連れ帰る。
 これで誰も傷つかずに済んだかと思いきや、被害者の姉は疑心暗鬼に駆られ…」

・「16歳の結婚」(2000年「月刊ホラーM」10月号)
「高校生の早紀(16歳)はフリータの亮(19歳)の子供を身籠る。
 彼女は子供を産む気でいたが、両親は許してくれず、男と駆け落ち。
 その後、彼女は男児を授かり、亮太と名付ける。
 不慣れながらも彼女は育児に励むが、亮の方は子供の世話に嫌気がさし、協力しなくなくばかりか、早紀の友人の翔子と浮気をしていることが判明。
 当然、夫婦喧嘩となり、亮は部屋を出て行ってしまう。
 様々なストレスが積もりに積もり、彼女は衝動的に亮太の顔面に電話機を叩きつける。
 号泣する亮太の横で、結婚なんてするんじゃなかったと後悔していると、アンリが彼女に話しかけてくる。
 早紀は、亮に妊娠を告げる時点まで戻り、今度は中絶を選ぶ。
 だが、今度は亮太を殺してしまったという罪悪感と喪失感が彼女に付きまとう。
 彼女は亮と別れ、亮は翔子とできちゃった婚をする。
 翔子は男児を産み、亮太と名付けるのだが…」

・「サバイバルゲーム」(2001年「月刊ホラーM」2月号)
「土屋明日香と宮本隼人はラブラブの仲。
 二人はデパートの抽選で、ハワイ旅行をゲットする。
 ただ、飛行機は並びの席が取れなかった。
 明日香の横の青年は一人だったので、明日香は彼に隼人と席を代わってもらうよう頼む。
 フライトの途中、機体に異常が起き、飛行機が墜落。
 生き残ったのは、明日香、隼人と席を変わった貴哉と後五人で、隼人は死んでいた。
 貴哉はリーダーシップを発揮して、生き残る術を探る。
 しかし、ここは無人島で、さほど南方でないため、食料は乏しい。
 切羽詰まった彼らは人肉を食べるところまで追いつめられる。
 明日香は人肉を拒否し、隼人さえいてくれたら…と考える。
 そんな彼女の前にアンリが現れ、明日香は飛行機が墜落する直前にリセットしてもらう。
 今度は隼人が生き残り、二人で協力して生きていけると思ったのだが…」

・「身代わりの悪夢」(2001年「月刊ホラーM」7月号)
「森下ゆきなと河上亜由子は加瀬直哉の相手役公募のオーディションに受けるため、東京に行く。
 ホテルに泊まった初日の夜、ホテルで火災が発生。
 ゆきなはトイレに起きた際に火事に気付くが、亜由子を呼ぼうにも、ドアにオートロックがかかってしまう。
 結局、亜由子は焼死。
 その後、ゆきなのもとには人殺しと中傷する手紙が届くようになる。
 家に引きこもる彼女の前に、アンリが現れ、火事の日に戻してくれると言う。
 リセットしたおかげで、ゆきなは亜由子を助けることができたが、今度はゆきなが火事で重傷を負う。
 一方、亜由子はオーディションに合格し、加瀬直哉と付き合うようになり…。
 ゆきながもう一度リセットする際に、選んだ選択肢とは…?」

 「16歳の結婚」は非常に良い話です。
 ラストのコマのセリフが心にしみ入ります。

2022年7月25日 ページ作成・執筆

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