竹崎真実「悪い鏡」(1994年4月20日発行)

・「悪い鏡」(「ホラーハウス 1992年3月号」)
「転校して来た笹原翔子の、隣の席には、永倉聖子という女生徒がいた。
 翔子と聖子は双子を見まがうばかりにそっくりだった。
 しかし、永倉聖子は陰気なたちで、クラスでは孤立、休み時間には黒魔術の本を読むという「ビ○○キちゃん」(注1)だった。
 その日を境に、翔子はたびたび嫌がらせに遭う。
 非難の矛先は永倉聖子に向けられるが…」

・「黒い雨」(「ホラーハウス 1992年6月号」)
「蛙が大の苦手の真琴は、排水溝の奥に沢山の目を見る。
 ある雨続きの日、真琴の住むマンションで、下水が詰まるという事件が起きる。
 原因を調べると、そこには大量の蛙、蛙、蛙!!
 水を大切にしない人間への自然からの警告なのであろうか…?」
 蕪木彩子先生の「解剖」と並ぶ、カエル尽くしの作品であります。
 もうちょっとカエルさんには大暴れして欲しかったものです。

・「星座のない夜」(「ホラーハウス 1990年4月号」)
「双子モデルと人気の女性二人。
 実際は、上園彩と小沢美奈子は、容姿は何から何までそっくりなのに、赤の他人なのであった。
 新参者の美奈子は、先輩の彩に対して、密かに対抗心を燃やす。
 そして、どちらか片方を切ろうという話を耳にした時、対抗心は殺意へと変わる…」

・「ロクサーヌ」(「ホラーM 1993年Vol.2])
「テレビとスナック菓子漬けの母親から陰湿ないじめを受ける、娘のロクサーヌ。
 彼女の慰めは、黒猫のロクサーヌだけだった。
 ある日、テレビが壊れた腹いせに、母親はロクサーヌを塔の上から投げ捨てようとするが…」

・「ラザラスハート」(「HELP 1988年VOL.5」)
「金髪の美しい女性に、心臓を抉り出されるという夢を見るジョナサン。
 女性の飛び降り自殺(忍び返しに串刺し)を目撃した際、彼は夢の女性に会う。
 女性の家に誘われ、彼女の部屋に入ると、そこには祭壇とその前に黒い棺。
 その棺の中には、彼女の弟の遺骸が入っていると言う…」
 タイトルからして、ミッキー・ロークが主演をした「エンゼル・ハート」という映画を思い出しました。
 あの映画も四半世紀前の映画になるんですね…年を取りました…。

 後ろの袖の作者紹介にて、竹崎真実先生はデビッド・クローネンバーグ監督のファンだと書いております。
 特に「裸のランチ」がお気に入りとか。(未見です。ウィリアム・バロウズの原作は挫折しました。)
 渋〜。

・注1
 他人のことは言えないので、伏字といたしました。

2015年1月25日 ページ作成・執筆
2017年1月30日 加筆訂正

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