「怪談特集C」(発行年月日不明/150円)



 収録作品

・東田健二「血の城」
「時は戦国。
 人質として他城に囚われた姫の身を案じる殿様。
 その城の忍者が、助け出せたら、姫をくれるか、と殿様に持ちかける。
 忍者は首尾よく姫を助け出すが、忍者は殿にだまされ、殺害される。
 その場面を見た姫はおかしくなり、忍者の殺された部屋に閉じこもる。
 その夜から、その部屋に入ったものは血を吸われ、干からびてしまうのだった…」
 まあまあ面白いです。話としてはグロいのですが、そこまで描写力がないためか、いい塩梅のぬるま加減になっております。ちなみに、ハッピーエンドです。

・木山虫「怨恨」
「金目当てに、財産持ちの老婆を斬殺した浪人。
 しかし、彼の妻が産んだ男の子は、殺した老婆と同じく、醜い傷を持っていた。
 自分の子を殺そうとする浪人だが、はずみで妻は死んでしまい、赤ん坊を殺すにしのびず、木箱に入れ、川に流すのだった。
 そして、他の土地で新生活を始める。
 十五年後、浪人は病みつき、孤独な日々を送っていた。
 ある日、浪人は、眼帯をした青年剣士と巡りあう。
 彼は、いまだ知らない父を探していると言い…」
 この本の中で最も出来のいいマンガであります。ただ、話自体は悲惨の一言に尽きますが…。

・加茂しげる「宇都の谷峠」
「座頭の地位を買うために、江戸に向かう盲目の按摩。
 旅の途中、その懐の金を狙った悪党に、按摩は斬殺される。
 しかし、悪党は按摩の亡霊に憑りつかれ、破滅するのだった…」

・高橋狂児「六三の黒石」
「城中の碁打試合。
 沢沼という武士は、盲目の深川というライバルがいた。
 負けたくない沢沼は、相手の手のうちを知るために、深川を自分の屋敷に招き、碁を打つ。
 しかし、自分が不利になった沢沼は、相手の目が見えないことをいいことに、相手の打った石を隠すのだった。
 それを責められ、かっとなった沢沼は深川を斬り殺してしまう。
 うまく隠蔽し、城中試合ではうまく勝ち進むが…」

・備考
 金綴じあり。pp43・44ページ、下部に一部欠損あり。

平成26年7月15・28日 執筆・ページ作成

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