「怪談特集J」(発行年月日不明/150円)



 収録作品

・小林一夫「赤い天守閣」
「剣山近くにある、岩山に囲まれた城。
 夜、天守閣に見回りに出かけた侍が怪死する事件が相次ぐ。
 その天守閣では、過去に、濡れ衣を着せられた月江という奥方が、前城主により殺されたという事件があった。
 侍達は、月江の祟りだと震え慄くが、裏では、天守閣に隠された前城主の遺書を巡る陰謀があったのだった…」

・松野たけし「黒い蝶」
「将軍家指南役を賭けて、真剣勝負に臨む善鬼と典膳。
 兄弟子の善鬼は、剣の腕は一流だが、冷酷な性分であった。
 そんな善鬼の前に、旅先で斬殺した旅芸人の怨霊が現れる…」

・山口勇幸「崇禅寺」
「安政六年。
 崇禅寺に一夜の宿を求めた月之介は、真夜中に血まみれの武士の訪問を受ける。
 武士は治左衛門(はるざえもん)といい、月之介に助太刀を求める。
 治左衛門の導くままついて行くと、そこでは治左衛門の兄、喜八郎が、大勢の敵と戦っていた。
 月之介も助太刀するが、多勢に無勢、喜八郎と治左衛門の兄弟は力尽き、月之介も負傷してしまう。
 兄弟のために薬を求め、寺に戻った月之介は、そこで意識を失ってしまった。
 翌朝、崇禅寺の和尚に怪我について聞かれるが、和尚はこの辺りではそういう決闘騒ぎはなかったと言う。
 釈然としない月之介はもう一晩、寺に厄介になるが、その夜、再び、血まみれの治左衛門が訪ねてくる…」
「崇禅寺馬場の仇討ち」を題材にした一編です。
 まあ、このマンガを読んで、初めて知ったのですが…。
 普通列車しか止まらない、阪急京都線の駅にある「崇禅寺」にこんな逸話があったとは驚きでありました。
 機会があれば、訪ねてみることにいたしましょう。

平成27年6月2・3日 執筆・ページ作成

文洋社・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る