小林一夫「奇談呪いの装」(170円)
「浪人の青江文十郎は、月影又十郎と三村大石に頼まれ、幕府御用帳係の宇月平馬とその妻の花江を殺害する。
月影又十郎達は旗本御用金を五千両も使いこんでおり、証拠を隠滅するためであった。
だが、以来、青江文十郎は、花江の亡霊に夜な夜な悩まされることとなる。
そんな時、怪談もので大人気の役者、霊芳太夫が、花江にそっくりなことに気付く。
彼は霊芳太夫に、宇月の息子ではないかと問い詰めるが、赤ん坊の頃に捨てられ、師匠により育てられたとのこと。
文十郎は一度は引き下がるものの、霊芳太夫が自分達の犯罪を劇にしていることを知り、幼い頃、武芸修行に出た宇月仙太郎であることを見抜く。
一方の仙太郎は、剣の腕では文十郎にかなわぬため、役者に身を隠して、復讐の機会を窺っていた。
しかし、両親の墓に参ったところを、文十郎と又十郎に襲われ、斬殺される。
文十郎達はこれで一安心と思いきや、横領した金が石ころにすり替えられており…」
ストーリーはまあまあ面白いと思います。
ただし、殺されたはずのキャラが後で平然と出てきたり、片腕を切り落とされたのに案外平気だったりと、おかしなところがちらほらあります。
好きな作家なら「それも味!!」とか言ってフォロー(という名の贔屓)するのですが、小林一夫先生に関しては、絵柄が好みでないので、評価がちと辛めです。
・備考
カバー貼り付け、また、それによる歪みあり。糸綴じあり。後ろの見返しに鉛筆で「500」と記入。
2020年6月4日 ページ作成・執筆