「怪談特集 鬼7」(発行年月日不明/150円)

 収録作品

・岩井しげお「死紋」
「死期が近づいた人間の顔に、ドクロの痣を見ることができる男。彼は同心となり、その能力を使って、次々と手柄を立てていくが…。」

・いなば哲「満月痣」
「仕官のため、江戸に向かう兄弟と使用人。満月の夜、道の途中で、顔の半分に大きな痣を持つ女とすれ違う。この地方では、満月の夜、痣女に会うと不幸が起きるという言い伝えがあり、兄弟は大事をとり、野宿することにする。痣女の正体とは…。」
 当時のヒット作家、いなば哲先生の作品ですので、完成度は高いです。ムードも充分、佳作と呼ぶにふさわしいでしょう。

・巌太郎「鬼人の城」
「戦国時代、敵の城主をだまして捕らえ、馬で股裂きにした残忍な殿さま。しかし、処刑した城主の呪いにより、不幸が打ち続き、最後は発狂して、自滅する。」

・沢田竜治「忍者怪奇伝」
「将軍家への密書を運ぶ、甲賀の「手長の半蔵」。密書を付け狙う伊賀の忍者が二人。二人は「手長の半蔵」を討ち取るが、逃げる途中、殺したはずの半蔵が立ちはだかる。」

・曽根しげじ「妄狂奇譚」
「無実の罪で島流しにあった青年。流された島はマッド・ドクターが獄長をしていた。マッド・ドクターは自分の命を永らえさせるために、囚人から血を採取し、役に立たない囚人は片端から鮫の餌食にしていた。青年は同じ獄にいる囚人と脱走の計画を練るが、そこに青年の恋人がまかない役として島を訪れる…」
 大傑作です!!
 タイトル・ページの絵を見てもらえればわかると思いますが、かの小島剛夕先生の絵にそっくり…というか、一生懸命似せようとしております。
 その志(こころざし)の高さは買いたいのですが、小島剛夕先生の流麗な描線はやはり簡単に真似できるようなものでなく、ところどころ、力が尽きたのか、別のマンガになっております。
 そんな小島剛夕ちっくなキャラ meets マッド・ドクターの支配する島!!
 こんな異種配合はなかなかお目にかかれるものではありません。あまりのビザールぶりに、頭がくらくらします。

平成26年3月26日 執筆・ページ作成

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